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Betaflight 4.4を前提に簡単にHDZERO VTXの結線と最低限必要なBetaflightの構成を書いておきます。

[ 結線 ]

写真はケースを外したHDZero Whoop Liteです。FCに接続するためのパッドが5つあります。G (GND), V (Voltage), R (RX), T(TX), SA (SamrtAudio)です。隣のコネクターはファームウェア更新のための物です。Freestyle VTXなどでは半田付パッドではなくコネクターになっていますが、内容的には同じです。

現在、SAは使用せず電源とRX,TXを接続します。電源は一般的にはVBATを使用します。RX,TXはELRS受信機と同じくVTXのRXをFCの任意のTXへ、VTXのTXはFCのRXに接続します。

[ ポート構成 ]

該当のUARTポートにMSP, VTX(MSP+ディスプレイポート)を設定します。 この構成でOSD(HD)とFCからのVTX操作が使用出来るようになります。

[ VTXテーブル ]
HDZEROのダウンロードページにVTX Tableがあります。中身はjsonファイルです、該当のものをBetaflight ConfiguratorのVTXページで読み込みます。E1(5705MHz)とF1(5740MHz)は自分で追加する必要があります。

と、書きましたが、VTXのSAを使用する構成でない限り手動でのVTX table入力は必要がない気がします。もしこれから設定される場合は上のポート設定だけで進めてみてください。おそらく問題ないと思います。

[ プリセットの使用 ]
Xでご指摘をいただきBetaflight 4.4のプリセットを調べてみるとHDZero VTXのプリセットがありました。Betaflight公式ではありませんがよく出来ているようです。私自身はまだ実際に試してはいませんが、CLIを表示してみる限り問題ないと思います(E1,F1は含まれていません)。カテゴリーVTXかキーワード’HDZERO’で見つかります。

[ HDZEROゴーグルのファームウェア更新 ]
私はどこかのビデオで予め知っていたので大丈夫でしたが、間違えるとゴーグルが文鎮化(機能しなくなる)ことがあります。注意点は単純です。
HDZEROダウンロードからファームウェア(Rev_ddmmyyyy.zip)ファイルをダウンロードして解凍するとHDZEROGOGGLEから始まるzipファイルが入っているので、それをさらに解凍します。すると複数のファイルが含まれています。

この中で必要なファイルはHDZERO_GOGGLEから始まるbinファイルひとつだけだということです。通常の更新では他のファイルは全く使用しません。ここを間違えると文鎮化の可能性があります。

HDZERO_GOGGLEから始まるbinファイルをマイクロSDカード(FAT32フォーマット、DVR録画と兼用可)のルートにコピーしてゴーグルに入れてゴーグルのFirmwareメニューからUpdate Goggleを実行後に電源を再投入すれば完了です。

文鎮化しても回復は可能だそうです。

[ VTXのファームウェア更新 ]
ファームウェアのファイルに各VTXのファームウェアファイルが同梱されていますので、目的の物を解凍します。ただし私のmacOS SonomaではFinderでダブルクリックするとエラーを表示して解凍できませんでした。

AppStorからUnzipアプリケーションを導入するかコマンドラインのunzipを使用する必要があります。
解凍したHDZERO_TX.binはマイクロSDカードのルートにコピーします。VTXの種類に関わらずファイル名が同じですので、複数種類のVTXを持っている場合は自己管理が必要です。

VTXとゴーグルを専用のケーブルで接続します。ファームウェア更新に必要な電源はゴーグルから供給されるのでVTXには他の結線は必要ありません。箱出しの状態でファームウェアの更新が行えます。Whoop VTXはコネクター形状の違いからファームウェア更新用のケーブルを二つ接続する必要があります。

ゴーグルの時と同じ要領でUpdate VTXで更新を行います。これは一瞬で完了します。VTXの現在のファームウェアレベルはFCに接続してスティクコマンドでVTXメニューを表示させると分かります。

なんかマッドさんのXの引用だけで成り立っている記事になってしまいました、マッドさんありがとうございます。

世界ではFPV画像転送のデジタル化が進んでいますが、DJIの一部製品を除き日本で使用できるものはありませんでした。

この夏、日本でもやっとアマチュア無線として開局可能なデジタルFPVシステムが出てきました。HDZEROはオープンソースでハードウェア構成も公開されているので、アマチュア無線局として開局出来る可能性が以前から論じられていました。唯一のネックはチャネルの帯域幅が27MHzもあるということでした。現在、アマチュア無線で許されているのは帯域幅17MHzです。HDZEROの構成にナローバンドが追加されて17MHz帯域幅で使用することがやっと出来るようになりました。ファームウェアRev 22082023以降でサポートされます。

現在のまとめは、この下の方に書かれています。

ここに書かれているとおりで、カメラの設定を540P60FPSに設定しゴーグルの帯域幅設定をNarrowにすると17MHzになります。この540P60FPSが使えるカメラは現在のところNano 90というものだけです。

使えるチャネルは最初F4(5800MHz)だけでしたが、日本のためだけにE1とF1も追加されました。ファームウェアRev 13112023よりサポート。この日本対応の経緯についてはマッド ⌘MADさんのXを読んでみると興味深いことが語られています。

開局に必要に資料は井上さんが公開されています。


私も井上さんの資料を利用させていただき、無事にアマチュア無線局の変更申請の審査が通りました。

HDZEROゴーグルのリアルタイムクロックはバッテリーが付属していないので機能しません。日時が正しくなくてもゴーグルとしての動作には全く問題は無いので特にバッテリーを必要とはしていません。DVRの録画ファイルのタイムスタンプを正しく記録したい人のみこの作業が必要となります。

[ バッテリー ]
用意するバッテリーはHDZEROのマニュアルによると”CR2032 laptop battery with MX1.25-2P male connector”とあります。私はアマゾンで、

これを購入しました。この商品は問題ありませんでしたが、似たような商品で同じコネクターを使用していて極性が逆になっているものもあるようですので要注意です。

[ ゴーグルの分解とバッテリーの装着 ]
分解の詳細は以下の動画がわかりやすいです。

フェースプレートを外し、下側から3本のネジを外すと後はプラスチックの爪を壊さないようにこじ開けます。下のようなプラスチックの道具あるとやりやすいです。ギターのピックでも大丈夫です。ディスプレーに行くフラットケーブルに注意してください。

蓋が開けば、写真の左側の方にあるコネクターにバッテリーを繋ぐだけです。バッテリーとケーブルをディスプレーのフラットケーブルに干渉しないようにします。

再度組み立て、ゴーグルのメニューから時刻を設定すれば完成です。