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RunCam Thumbのジャイロデータで他のカメラを安定化する

AliExpress.com Product – NEW RunCam Thumb Mini Camera HD Action FPV 1080P 60FPS 9.8g 150° FOV Gyroflow Stabilization For RC Drones DIY Parts

RunCam ThumbのファームウェアがV2.1.0になり、やっとGyroflowでちゃんと安定した動画を得られるようになりました。

そこで実験です。RunCam Thumbのジャイロデータを利用して別のカメラで撮影した動画を安定化を試してみました。RunCam Thumbは格安で小型軽量なので、他の高解像度なカメラと一緒にマウントしてジャイロデータロガーとして使用する可能性を秘めています。

取り急ぎの実験なのでFPVカメラ(Caddx Vista Nebula Nano)のDVRで録画したものを安定化してみました。Gyroflowに慣れていればやり方は自ずとわかると思います。参考として、わたしの設定画面を下に貼っておきます。

各項目を左上から順にざっと説明します。
– Video / File name: DJIG0003.mp4, DJI Goggleで録画した動画です。
– Lens Profile : Caddx Nebula Nano, もしプロファイルがない場合は自分でも簡単(ほぼ自動です)に作成出来ます。
– Motion Data / File name: Thumb0033.gcsv, RunCam Thumbで生成したジャイロデータです。
– Synchronization / Rough gyro offset : 16.0s, 動画とジャイロデータのズレをだいたいで指定します。オフセットの正負は気にしなくても大丈夫なようです。その後でAuto syncを実行します。
– Stabilization / Smoothness : 0.050, 既定値の0.50から大幅に小さくしています。ロールしたりフリップした時に既定値のままだと画面が大きく動いてしまいダイナミックズームの結果見苦しくなります。わたしのようなまったりとしたフリースタイルでも直を小さくした方が自然です。

RunCam ThumbのファームウェアバージョンV2.1.0

やっとRunCam Thumbが使えるようになりました。ファームウェアV2.1.0にてちゃんと使えるジャイロデータが生成することが出来ます。

AliExpress.com Product – NEW RunCam Thumb Mini Camera HD Action FPV 1080P 60FPS 9.8g 150° FOV Gyroflow Stabilization For RC Drones DIY Parts

V2.1.0で変わったこと
– thumb.confで構成するようになった。私が変更したのはGCsv=1だけです。これによりジャイロデータが取得できます。
– ジャイロデータがGyroflow形式に変わり、拡張子がgcsvになった。Gyroflowは自動的にジャイロデータを見つけて読み込んでくれるのであまり気にしなくても良いです。
– 60FPSでもジャイロデータが取れるようになった。
– PCにUSBで接続した状態で本体のボタンを押すと1080Pのwebカムとして動作する。ただし、少々広角すぎる。

室内でテストしただけでジャイロデータが改善されているのがわかります。以前はノイズが多くローパスフィルターを入れてやっとそれらしいデータになっていましたが、新しいファームウェアでは綺麗な波形が表示されます。またV2.0.0では明らかにジャイロのオリエンテーションが間違っていたのも直っています。

ということで、天候の回復を待ってやっとテスト飛行が出来ました。上海の我が家はオミクロン対策で閉鎖して全員PCR検査の実施中なのでマンション内でのテスト飛行です。

Gyroflow v1.0.0-rc5
– 自動同期で完璧に同期できました。
– 「滑らかさ」は0.050とかなり小さくしました。既定値のままだとロールなどの動きがうまく処理出来ないです。

AliExpress.com Product – iFlight GOCam PM GR Action Camera Supports up to 4K/30FPS for FPV parts designed for CineWhoops and big FPV quads

購入当初のレビューに書いていますが動画ファイルにエラーがあるGOCam PM GRでしたが昨年末に出たファームウェアV.1.2.6を導入したところ動画ファイルのエラーがなくなりました。これでやっと普通に扱えるようになりました。ただし、なんだか動画の質が悪くなったような気もします。このあたりはもう少し追求が必要かも。

Gyroflow v1.0.0-rc4も試してみました。このバージョンではGOCam PM GRの以前のファームウェアで記録したエラーのある動画を読み込むことは出来ませんのでファームウェア更新が必須です。

設定のヒント
– GOCam PM GRはかなりソフトなマウントにする必要があるそうです。わたしはUmma85みたいな柔らかい足で支えるマウントを自作しました。
– GyroflowのMotion dataセクションにあるLow pass filterの設定が必要。50Hzから100Hzくらいで試してみると良いと思います。Gyroデーターのグラフを見ながらLow pass filterをオフオンしてみると必要性がよく分かります。
– Sync pointの設定は自分で動きの分かりやすい場所を指定しAuto syncをかけます。そして手作業で動画から解析した動きとジャイロの軌跡を見ながらオフセットを調整します。ただしグラフのYとZは実際の動きとジャイロで上下逆になっています。X軸の動きのみに注目して同期させることになります。

ということでサンプル動画です。

Runcam Thumb格安軽量FPVドローン向けアクションカム

AliExpress.com Product – NEW RunCam Thumb Mini Camera HD Action FPV 1080P 60FPS 9.8g 150° FOV Gyroflow Stabilization For RC Drones DIY Parts

Runcamの新しいアクションカムThumbを発売日にオーダーし入手しました。ちょっとInsta360 Goに似ています。格安なので大きな期待はせずにテストしてみます。

TPUマウントが付属していましたが、鏡胴にあたるべき丸い切り欠きが反対側にあったりします。それは今ひとつなのですがとりあえず使用するには困りません。SDカードを格納し蓋をしますが、この蓋がかなりゆるゆるなのでテープ等で貼り付けておかないと蓋とSDカードを無くす事間違いなしです。透明な保護レンズとND16が付属しているのはありがたいです。ただし、これもかなり緩いのでハードクラッシュでは吹き飛ぶ可能性があります。

バッテリー内蔵ではありません。5VをFCから給電する必要があります。特に設定などはなく、電源投入したら前面のボタンで録画の開始、停止を行うだけの簡単操作です。

側面にマイクロUSBコネクターがあるので、それをPCに接続するとSDカードの中身が読めます。SDカードは入れたままで大丈夫です。よって、先のゆるゆるカバーもテープでがっちり固定しておいても困りません。

設定は無いと書きましたが、このSDカードに’csvopen.txt’というファイルを作ることでモードが変わります。出荷状態では1920×1080 60FPSの動画が記録されジャイロデーターは保管されません。csvopen.txtを作ることによりジャイロデーターがcsv形式で保管されるようになります、また動画ファイルは1920×1080 50FPSになります。

ジャイロデーターが取れないとTwitterに書き込んだら、ゆたさんがcsvopen.txtについて教えてくれました。

製品付属の説明書には記述がありませんでしたがwebサイトにある最新の説明書にはcsvopen.txtに関して書かれています。

CineLog30に搭載してテスト飛行してみました。ちゃんとジャイロデーターも取れました。しかしGyroflowでジャイロデーターを読むことは出来ますが今ひとつ安定化出来ませんでした。噂によるとGyroflowの作者は製品発表前からテストをしているけど、フレーム落ちのためにうまく安定化出来ていないらしいです。将来のファームウェア更新に期待します。仕方ないのでBlackboxログでGyroflowを試してみました。細かい振動が随所に見られますが、全体としてはなんとか安定化出来ました。ぜんぜん満足出来る状態ではありませんがYouTubeにて結果を公開しています。

得られた動画は、どうもフラットな色彩になっています。DaVinci Resolveにて試しにDJI_Phantom4_DLOG2Rec709というLUTを適用したら良い感じになりました。それをベースに少し色を補正をしました。

FHDながらビットレートは20Mbpsしか無くも画質ははっきり言って良くはありません。値段を考えれば納得するしかないと思います。

OpenTXログを字幕ファイル化するプログラムを書きました

以前、OpenTXログからGPXファイルを生成するプログラムを公開しました。Garmin VIRB Editなどを使用してマップ表示などはうまくできたのですが、ドローンの水平速度が今ひとつおかしいです。普通に飛行中なのに時々速度が0になったりします。理由はよくわかりませんがGPSコーディネートから求める速度が何かしら変になっています。
一方OpenTXログには速度が含まれているので、それを動画に取り込めればということで、このプログラムを作りました。単に速度だけ取り出すのは もったいないのでOpenTXログの任意のアイテムを選択できるようにしています。

プログラムおよび説明は以下のGithubサイトにあります。Python3の実行環境が必要です。
https://github.com/nkozawa/OpenTX2SRT

動画サンプルです。

Caddx Peanutのまとめ

最初にND16フィルター装着した初飛行で黄色い映像になってしまった時はどうなるかと思いましたが、ポストプロセスによるホワイトバランスの調整で解決しました。画質もわたし的には十分です。リモートコントロールも快適ですし、なんといってもコンパクトで信頼性が高いです。Logモードも良い感じです。ということでかなり満足度は高いです。

不満もあります。GoProで言うところのプロモードは存在しISO固定やシャッタースピード固定が出来るのですが、それを使うには携帯電話アプリを接続しないといけないところです。一度設定しても電源オフで忘れてしまうのでボタンを押して手軽に撮影開始というわけにはいきません。普段はそんなこと気にせずにお手軽Auto撮影しておけということなんでしょうね。

入手後約一ヶ月で概ね試したいことが終わったので以下に過去のレビューリンクをまとめておきます。

[ Caddx Peanutの開封からNDフィルターのテストまで ]
NDフィルター装着すると黄色っぽくなるという驚くべき事実が判明

[ Caddx Peanut USBの謎 ]
USB Type-Cコネクターが付いているのにUSB PDに接続すると反応しないという話

[ Caddx Peanutのファームウェア更新 ]
携帯電話アプリからのファームウェア更新はInsta360 GO2ケースがないために動かない

[ Caddx Peanutのリモートコントロールと写真撮影 ]
FCと接続してリモートで本体ボタンの機能をコントロールする設定方法と応用

[ Caddx Peanut付属NDフィルターの問題 ]
最初に判明した黄色っぽくなる問題がWBの調整で改善

[ Caddx Peanut ND filterで黄色くなった画像の簡単ノーマライズ ]
DaVinci ResolveでのWB調整

[ Caddx Peanutのカメラマウントを作った ]
付属していたカメラマウントはすぐ壊れたので自作した

[ Caddx Peanutカメラ設定 ]
フルマニュアルな設定も出来るのですが、、、

[ Caddx Peanut (Insta360 GO2) LOGモードの簡単ノーマライズ ]
LOG撮影した動画をDaVinci Resolveで2ステップでノーマライズ

Caddx PeanutのColor ProfileにはLOGモードがあります。それをDaVinci Resolveで簡単にノーマライズする方法です。

Insta360の携帯電話アプリではLOGモードの動画を読み込むとLUTスイッチが現れるので、とりあえずお手軽にノーマライズ出来ます。ところがInsta360 Studio(少なくともMacOS版には)ではLUTを適用するオプションが見当たりません。そこでDaVinci Resolveにてノーマライズするしかありません。

動画編集の際にLOGファイルをノーマライズするためにはLUTが用意されているか、Color Space変換でどんなプロファイルを選択すれば良いかがわかっていれば簡単です。探してみてもGO2用のLUTとかLOGファイルの仕様に関する情報が見つかりません。そこでInsta360の別機種用のLUTを試すことにしました。

[ LUTファイルの準備 ]
Insta360のダウンロードページにLUTファイルが複数パックされたzipファイルがあります。その中にはGO2として用意されたLUTはありません。どこかにその中のONE-X2-LUTがGO2にも使用可能と書いてあったので試してみることにしました。
DaVinci ResolveでLUTを保管するフォルダーはProject settings/Color Management/Open LUT Folderで開きますので、そこにONE-X2-LUT-Final-V1.0.0.cubeをコピーします。

[ ノーマライズ手順 ]
LOGかどうかに関係なく画像が黄色っぽくなる問題があります、特にND16フィルター使用時に顕著です。まずはそれを補正するためにWhite Balanceを調整します。それにLUTを適用することにより基本的なノーマライズが完了します。

Color画面でColor Wheelsを出すと左端にAuto Balanceというボタンがあるのでそれをクリックします。その右側のスポイトで真っ白なところを拾っても良いです。

LUTはノードを右クリックして適用します。


サンプル動画です。この動画ではあえてAuto BalanceとLUT適用だけにしています。さらに細かい調整をするとさらに良くなります。特に曇りの日のサンプルではもう少しWhite Balanceの手動調整が必要だと思います。

4S1P Li-Ion電池の制作

Rekon4 Long Rangeに使用するために4Sのリチウムイオン電池を組み立てることにしました。市販品も同じですが18650電池を4本組み合わせて作ります。

結線方法とか電池の選択については何時ものOscarLiangさんとこに詳しく出ています。唯一問題なのはこのページでは電池に直接はんだ付けを行っていますが、これはあまりお勧めではありません。

[ 電池 ]
電池の銘柄は現状では一択です、Sony VTC6 (村田製作所が工場ごと買い取って、現在はMURATA VTC6です)がドローンに適しています。連続最大放電電流が30Aあるのに容量が3120mAhもあるのは優秀です。問題は優秀な電池なので偽物が沢山出回っていることです。確証はありませんが本物と思えるものと、明らかに偽物の比較を行っておきます。


下が本物と思われるものです。左側の溝がはっきり見えています。どこかVTC6真偽比較サイトにも似たような写真がありました。


右側が偽物っぽいものです。プラス極が少し凹んでいます。


重さが一番わかりやすいです。偽物っぽいのは明らかに軽いです。きっと容量も少ないと思います。


公式ページの通り46.6gなので本物と思います。実際には個体によって少し違ったりします。

あと値段も格安すぎるのは偽物確定です。わたしの購入した本物らしきものは中国の通販サイトで一本約50元(750円くらい)でした。格安の偽物は、その半額以下でした。

[ スポット溶接機 ]
18650に限らずリチウム電池の電極に直接はんだ付けをすることはお勧めではありません。問題は温度です。温度を上げすぎると危険なので避けるべきです。その代わりに瞬間的に溶接が完了するスポット溶接で金属片を電極に溶接することにします。

スポット溶接の原理は単純で2本の電極を利用してごく短い時間に大きな電流を流し、その部分だけ金属片が溶着出来るだけの温度を得るというものです。自作も可能ですが、コンパクトで安価に溶接機が中国で入手可能でしたので入手しました。

実際の溶接の様子です。

[ 組み立て ]

XT30と4Sバランスケーブルを作ります。


電池に溶接するチタンのプレートを適当な長さにカットします。チタンプレートはスポット溶接機に付属していたものを利用しています。


チタンプレートとケーブルをあらかじめはんだ付けしておきます。


チタンプレートを電池にスポット溶接して完成です。電池はずれないようにスペーサーを入れたりしています。最後は熱収縮チューブで固めています。

[ 充電 ]
一般的な充電器でLi-Ionを選択すると充電電圧が4.1Vになります。VTC6の規格では充電電圧4.2Vになっているので充電器の設定はLi-Poで使っています。充電電流はどこまで行けるものかよく分からないので今の所、1Aから1.5Aくらいで行っています。

[ 飛行 ]
Rekon4に載せて飛んでみました。セル電圧2.8Vくらいまで行けるらしいですが、今の所3.0Vになったら着陸させています。それでも20分は飛べます。そこそこアクロバティックな飛行も可能なくらいのパワーはあります。ただし重いのでダイブのリカバリーとかは要注意です。
偽物VTC6も飛ばしてみました。飛行時間が短くなりますが、飛ばしていて違いを感じるほどではなかったです。

Caddx Peanutカメラ設定

最初に書きそうなことが一番最後になってしまいました。Caddx Peanutの設定についてです。

[ ボタン ]
まず必要なのはボタンを押した時に起動するカメラの機能です。

クイック1、1度押し、ともにPro Videoにしました。FPVの動画撮影はPro Video一択です。クイック2と2度押しは今のところ写真にしています。Pro Videoでは解像度と録画時間もこの画面で選択出来ます。

[ 詳細設定 ]
カラープロファイルが選択出来ると聞いていたのにボタン設定のところにはありません。どこかと思ったらWiFi接続のままPreviewしながら撮影する画面にありました。

この画面の左上にカラープロファイルがありました。下の方にはさらに詳細な設定があります。WB(自動、2700K-7500K)、ISO(100-3200), シャッター(1/8000-1/50),EV(-4すら+4)とGoProのプロモードの様に細かい設定が出来ます。ここで選択した設定がボタンで起動するPro Videoにも反映されるようです。
大きな勘違いがありました。カラープロファイルは狙い通りにボタン起動のPro Videoにも反映されますが、下にあるISO,シャッタースピード、WBの設定は電源をオフにすると忘れてしまいます。ISO固定モードを使ってみたかったので、ちょっと残念です。

Caddx Peanutのカメラマウントを作った

Caddx Peanutにはカメラマウントが付属しています。一見、綺麗でよそさうに見えますが、カメラのホールドが今ひとつ弱い上に脆く割れやすいです。

ということでカメラマウントは自作することにしました。素晴らしいのはCaddxはダウンロードサイトでカメラ本体とこの割れやすいマウントが一体となった3Dモデル(step)を公開しています。これを利用することにより短時間でマウントを作成することが出来ました。

電源コネクターとともにホールド出来るようにしました。STLファイルはThingiverseで公開しています。PeanutMount2.stlの方は自前のサポートベース付きです。本来のモデルでわたしの3Dプリンターで出力すると底辺が直線的に出力出来なかったので作りました。余分なサポートベースは後からカッターナイフなどで切り取らなければなりません。