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YouTubeビデオ “Tune YOUR PIDs w/ NEW Sliders” のわたしの解釈

PIDチューニングには以前から挑戦したいと思っていたものの、難解な部分もあり、また単純にめんどくさいということもありで手が出せませんでした。

Betaflight 4.1になりフィルターとPIDのチューニングがスライダーで行えるようになりました。これはもしかして自分でもチューニングが出来るのではないかと挑戦してみることにしました。ということで、まずは調査です。YouTube上にたくさんの情報があります。だいたいはJoshua Bardwellさんのチャネルをサブスクライブしておけば必要な情報は得られます。さらにBetaflightの仕組みに基づいたテクニカルな解説を必要とする場合はUAV Techにとても詳しい解説があります。どちらも英語の解説ですが、前者は分かりやすい英語ですし、キーとなる部分は画面を見ているだけでも理解できそうです。UAV Techの方がより詳細な内容ですが、英語が分かりづらいのが難点です。

Betaflight 4.1のPIDチューニングに関する解説として下に埋め込んだビデオに注目したいと思います。ただし英語が分かりづらく、YouTubeが自動的につけている英語字幕もあまり役に立ちません。自動字幕なので専門用語が正しく記述できないのは仕方がないとして、普通の単語も間違っていたりします。

詳しく読み解くついでに日本語字幕を作成して送ったのですが、なかなかレビューが終わらず反映されていません。もっとも、日本語字幕を見たとしても、やはり分かりづらい気がします。そこで、ここにポイントだけかいつまんでわたしの解釈を書いておきたいと思います。

このビデオはチュートリアル的なものではなく、UAV Techの人の設定例にいくらかの解説を加えたものです。ただし、いくつかの良い説明がありますので、眺めてみてください。

以下、タイムスタンプと興味深い部分のみ、わたしの解釈について書いておきます。

00:19 セットポイント(setpoint)はクワッドに対するコマンドなんです。それが全てなんです。
-> スティック操作はBetaflightにより解釈され、それぞれthrottle, yaw, roll, pitchのsetpoint値に変換されbetaflightはsetpointに従ってクワッドの姿勢を制御する。

00:36 もし実際のジャイロの読みに(セットポイントが)正しく一致出来たときに、それ以上望むべくもない良いパフォーマンスを得られたと言いたい。
-> つまりthrottleを除くセットポイントは、そのまま機体が示すべきジャイロの値を示しているのでログ上セットポイントとジャイロの読みが常に一致していることが理想である。

00:56 PIDチューニングのために通常することはトレースの設定です。それは誇張(exaggeration)をオフにすることです。なぜならば、もうノイズには関心がなくトレースで見る必要がありません。
-> exaggerationと言っているのはExpo On/Offのことではないかと想像します。ノイズについてはBetaflight 4.1のフィルターリングがとても優秀なので、特別な機体の固有振動でもない限り気にしないということでしょう。

01:22 ロール軸を見てみましょう。セットポイントは緑の線でスティックから来ます。ジャイロの奇跡はクワッドが何をしているかを示します。
01:37 もしこれが正しくスクリーンの線に沿っていれば完璧なフライト経験が得られます。

01:49 ここでいくらかのオーバーシュートがあります。このようなオーバーシュートとぐらつきがあると、すぐさま推進(push)が強すぎ、そして抑制(dampening)が十分でないと考えるべきです。
-> ジャイロの軌跡に振動が見られる、すなわち機体がロールの後にバウンスしているということ。Pが強すぎるか、もしくはDが弱いということらしい。

02:11 もしここで遅延があり、そしてオーバーシュートがなくここまで上がる場合は、おそらく抑制(damening)が効きすぎています。

02:30 コンフィグレーションの新しいツールチップでは、平易な言葉で説明します。
-> Betaflight Configuratorでは各項目について詳細かつ分かりやすい表現の説明がポップアップします。これは本当に役立ちます。なんとなく見た目からConfiguratorを英語にしていましたが、この説明を日本語で読むために今は日本語でconfiguratorを立ち上げています。日本語化に尽力されている まっくさん(@t_mac116) に感謝です。

02:40 Pタームを自動車のスプリングと考えてみます、、、
-> ここからPタームをスプリング、Dタームをオイルダンパーとして自動車のショックアブソーバーに例えた話が続きます。あまり深く考えずにPタームがスプリングでDタームがオイルの入ったダンパーに近いと思うくらいが良いと思います。話しの中では路面をセットポイントと捉えていますが、ショックアブソーバの目的は路面の凹凸を吸収するためのものでPIDループとは少し目的が違うので、細かく考えない方が良いかも知れません。

04:19 もし思い切った動きをクワッドに与えた時にある種の揺れを起こしたら、Dタームを増やさないといけないということです。
04:30 もし鋭い動きをさせても動きが遅いならば、それはセットポイントへの追従が良くないということです。つまりPタームを増加する必要があります。

-> これがPID調整の基本ということだと思います。ただしPとDのバランスということで、どちらも増やし続けるものではないことは覚えて置く必要があります。

04:48 再びこれを見ていきます。セットポイントに対する良い追従が見られます。こそれは私にしてみるとPタームとフィードフォワードがともに良く働いているということです。
-> フィードフォワード(FF)は素早いスティック操作への反応を良くすると漠然と考えていたけどPを補足するような感じなのでしょうかね。

05:22 ここは通常のオーバーシュートです。
-> EXPO OFFで眺めてみてわずかにジャイロがセットポイントに対してオーバーシュートしているのは問題ないもよう。

05:26 ここはセットポイントを少し行ったり来たりする一種の振動が見られます。これはPDバランスが取れていないように見えます。

06:30 何かしら行った後に与えられたフィルター設定はほぼ確信があります。しかしPIDチューニングはいくらかの行ったり来たりの試行錯誤で上手く行くことを確認します。
-> PID値の決定は試行錯誤が必要である。逆にフィルターは一発で決まるということなのか?

06:41 覚えておくことは、プロップウォッシュの中で、、、、
-> しばしDとD minの説明が続きますが、別の資料をあたった方が良い気がします。

08:10 結局のところ次に試すことをお勧めするのがこのスライダー式構成です。その2つを既定値にしますそしてP and D gainで両方同時にを少し上げます。
-> ここからスライダーでのPID調整に入ります。この例ではPD BalanceとP and D Gainのを既定値に戻してから、それぞれ動かしています。実際のところ、飛行させながら様子をみたりBlackboxログを見て考えなればなりません。なかなか具体的に説明するのは難しいですが、以前のようにたくさんの数値を変更するよりはスライダーを動かす方が簡単だと思います。

09:33 その他の変更としては、わたしはこのD Min Advanceを0にD Min Gainを30にちょっと切り上げます。
-> これは、この人の設定例という理解で良いのか? 特に理由は述べられていないです。

09:47 このSetpointはBetaflightの既定値です。
-> I Term RelaxのType=Setpointは既定値で、かつレース向き、Type=GyroでCutoff=10がフリースタイル向きとおっしゃっています。

10:10 Rateprofileタブに行きましょう。TPAが0.6で1250で開始するようになっています。これは必要ならば上げても良いです。
-> おそらくBrakepointを上げても良いと言う意味かと思います。ここでの説明も今ひとつわかりにくいです。このTPA値の意味はスロットル値1250(おなじみの1000-2000の可動範囲の中での数値)からPID値を減少し始めて最終的にはPID値が元の値の60%になるというものです。プロップウォッシュの出方によっては減少を遅らせた方が良いこともあるのかも。

以上ですが、気がついてみるとIタームについては何も述べられていません。Betaflight 4.1では既定値のままで良いということなのでしょうかね。

250g以下におさえた軽量DJI FPV 3インチ機用のプロペラを4種類用意して比較しました。

まずは機体のスペックを紹介します。
– DJI Digital FPV System
– GEPRC Cygnet 3 Frame mod
– iFlight Succe-X E Mini F4 35A Flight Stack
– Frsky XM+
– XING 1404 4600KV
– TATTU 4S
– ファームウェアはBetaflight 4.1でPID/フィルター設定は既定値のままです。

試したプロペラは4種類です。

1) HQProp HQ Durable Prop T3X2

なんとなくToothpick風味にしてみたかっただけです。

2) HQProp HQ Durable Prop T3X3X3

定評のあるHQPropの三枚羽も試してみないことにはと用意。

3) GEMFAN Windancer 3028-3

もともと大きいモーター用に持っていたもの、太いネジと細い2本ネジ共用タイプ。

4) EMAX AVAN MINI 3×2.4×3

初めて買ったFPVドローンであるRodeo110用に持っていたもの。もしかすると、最新のものは少し形状が違うかも。

あくまで飛ばした時の感覚であり定量的な何かを測定したわけではありません。

それぞれバッテリー3パックほど飛ばしてみました。HQPropの二枚羽は、今ひとつ操縦性が悪い気がして早々と落選。GEMFAN Windancerはなんとなくフィーリングが合わない感じ。

HQPROP T3X3X3とEMAX AVAN MINIはどちらも飛ばしていてしっくり来ます。特にEMAX AVAN MINIはパンチアウトした時の吹き上がり具合が明らかに良いです。これは形状とかピッチの差かもしれませんが、一番軽量であることが良いのかも知れません。小型モーターにはプロペラの重量が重要かも知れないとminimoFPVさんも以下の記事に書かれています。

ということで、EMAX AVAN MINIが一番良さそうですがHQPROP T3X3X3も合わせてしばらく使ってみることにします。あと、新品モーターの調子が使っているうちに良くなっているので、もしかすると早々に落選した2つのペラも後で使うと印象が違うのかも知れません。

DJI Digital FPV SystemのRC使用中止

以前、「DJI FPV SystemのRC、送信機を使用した感想」に書きましたが、送信機の電波到達距離に不安があります。

Youtubeでアメリカにおいては、大きな問題なくそこそこの距離を飛ばしているようですので中国でのモードの弱点なのかも知れません。中国モードでもAir Unitの出力に700mWを選択できますが、スペック表によると送信機からの出力はFCCモードより小さいようです。ただしスペック上の電波到達距離は変わりません。

今後のソフトウェアのパージョンアップで改善する可能性もありますし、アンテナを変更したり位置を工夫したりする余地もあります。ただしソフトウェアは、まだ一度も更新されていませんし、アンテナの方も限界を感じます。ということで、とりあえず操縦系統はFrskyとCrossfireに変更することにしました。

動画からパノラマ写真を作成する

最近はFPVドローン(いわゆる、レースドローン)ばかりを飛ばしています。FPVドローンでは動画を撮影するわけですが、動画だけではなく切り出した写真を公開することもあります。模型飛行場で飛ばした動画をチェック中に、飛行場の全景を写真として切り出したいと思いました。飛ばしている時は、そんなことは考えていなかったので部分的なショットしか得られませんでした。そこで思い出したのがMicrosoft ICEというソフトウェアです。これを使うべく、材料として使用する写真を何枚か用意してICEを立ち上げてみると、New Panorama From Videoというボタンがあるではないですか。

ということで、切り出した写真を使うのをやめて、ビデオを読み込ませてパノラマ写真にしてみました。手順は簡単です。New Panorama From Videoで元となるビデオファイルを指定します。パノラマにする部分だけにトリムして読み込ませるといきなりパノラマ合成が出来ます。長いビデオを読ませると、パノラマ合成をする部分を手動で指定するための画面が表示されます。

パノラマ合成されたあとは細かな調整を行いパノラマ写真をexportします。このあたりの詳しい手順については「DJI Spark スフィア撮影(360度パノラマ)したものをVR化する / How to make 360VR picture from DJI Spark spherical pano pictures」をご覧ください。

空撮に限らず、アクションカムで撮影している時にゆっくりとパンしながら景色を撮影しておけば、あとからパノラマ写真にすることも出来ます。これは一度試してみる価値があると思います。オススメです。

よく見るとスティッチが破綻している部分もありますが、全体を俯瞰したいという目的は十分に得られます。これだけ使い勝手が良くて良い結果が得られるアプリケーションが無料で公開されているのはありがたいことです。

4:3で記録した動画ファイルを16:9で出力したい場合、自然な状態にするならば上下を切り取るのが良い方法と言えます。単純に縦横比を変更すると間延びしてしまいます。たとえば正方形が写っていたとすると横長の長方形になってしまいます。

4:3の状態でせっかく写っている画像を無駄にせずに16:9にする方法もあります。ソフトウェアにより画面中央付近は変更せず両端を徐々に引き伸ばすことにより自然で、かつワイドレンズで撮影したような仕上がりになります。各種画像編集ソフトのプラグインで行ったり単独のプログラムで行いますが、ここでは無料アプリとして単独で使用するsuperviewを紹介します。superviewという名前は、もともとGoProに搭載されているsuperviewモードに由来します。その名前の通りGoProのsuperviewと全く同じ効果を得られるものです。

かつてGoPro Studioという無料アプリがあり、それを使用して同様に4:3からSuperview変換をすることが出来ます。変換結果を比べてみると、ここで紹介するsuperviewコマンドとGoPro Studioはまったく同じ画像が得られていました。ただしGoPro StudioはGUIアプリケーションですが、使い勝手は今ひとつですし、画質も少し落ちます。なんと言ってもすでにサポートが終了していますのでお勧めはしません。

DJI FPV 4:3モード

DJI FPV 4:3 + Superview

ブログラムはgithubのsuperviewページから入手します。Windows, macOS, Linux用があり、ガイドに従えば問題なく導入できます。実際の変換作業はffmpegという超有名な万能動画編集プログラムを使用しています。もしffmpegの最新版がすでに導入されていばsuperviewの実行ファイルを入れるだけです。macOSとWindows10に入れてみたので手順を簡単に紹介しておきます。

[ Windows10 ]
まずはffmpegの導入です。FFmpeg BuildsのページにてVersionをリリース版、ArchitectureをWindows 64-bit, LinkingをStaticを選択してダウンロード。zipファイルの中にあるbinフォルダー下のffmpeg.exe. ffplay.exe, ffprobe.exeをパスの通った場所あるいは作業用のフォルダーにコピーします。

superviewはreleaseページよりsuperview-windows-amd64-v??.exeをダウンロードします。これは実行ファイルそのものです。使いやすいようにsuperview.exeと名前を変更しパスの通っている場所もしくは作業用フォルダーにコピーします。

[ macOS ]
ffmpegの導入は私はパッケージマネージャーHomebrewを使っていますのでbrew install ffmpegで導入しました。Windows 10の例と同様にffmpegのページから実行ファイルをダウンロードしてbinファイルを/usr/local/binにコピーしても同じと思います。

superviewはreleaseページよりsuperview-darwin-amd64-v??をダウンロードします。これは実行ファイルそのものです。使いやすいようにsuperviewに名前を変更し実行属性をchmod +x superviewで与えます。それを/usr/local/binに移動しておきます。

[ 使い方 ]
いたって簡単です。superview -i DJIU0033.mp4だけで動きます。出力ファイル名を指定してsuperview -i DJIU0033.mp4 -o SDJIU0033.mp4みたいにするのが使いやすいです。オプションでビットレートを指定することも出来ますが、入力ファイルから自動的に検出されるので普通は必要ないと思います。

[ 録画モード ]
DJI Digital FPV SystemではGoggleと機体搭載のAir Unitの双方で録画が出来ます。Goggleでは720P/60FPS, Air Unitでは720P/120FPSもしくは1080P/60FPSで録画出来ます。一般的に公開する動画としてはAir Unitの1080P/60FPSになると思います。

[ 録画の開始、停止 ]
既定値ではGoggleとAir Unitの双方で録画する設定になっています。そのままで使用しています。設定で変更出来るようにはなっていないと思いますが、Armすると録画開始、Disarmで録画停止するようになっています。Arm状態に関係なく録画を開始、停止したい場合はGoggleもしくしRemote Controllerの録画ボタンを押します。

[ 縦横比 ]
設定にて4:3と16:9が選択出来ます。この設定はGoggleで見る画像と録画する画像の両方に影響します。4:3でFPV、16:9でAir Unitで録画というような設定は出来ません。センサーは4:3らしく、16:9モードにすると4:3の画面の上下をクロップしたものになります。貧乏性なので画素がもったいない気がして4:3で飛ばしたい気がしています。

DJI FPV 4:3

DJI FPV 16:9

動画を作成する際には16:9の方が見栄えが良いので4:3のものを後から16:9に変換するのが良いでしょう。コマンドラインのツールですがsuperviewというプログラムが良く出来ていると思います。

=> 解説記事書きました「4:3の動画を16:9に変換するsuperview

DJI FPV 4:3 + Superview

[ 録画サンプル ]
4:3の録画サンプル

16:9の録画サンプル

4:3で録画したものをsuperviewで処理したもの

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DJI FPV Systemを使用し始めてまだひと月弱ですので十分な経験を得たわけではありませんが、私なりの感想および評価を書き始めたいと思います。

まずはRemote Controller(送信機、あるいはプロポと呼ぶこともあります)についてです。ゴーグルがDJI FPVの肝でRCはオマケ的な機能と言えます。すべてのFPVシステムとしての機能はゴーグルで完結していますのでRCは必ずしも必要としません。

このRCを使用する利点は以下の3つくらいしか思い浮かばないです。
– Air Unitに受信機の機能が含まれているので、それを遊ばせる手はない
– スペック上はロングレンジが期待できる(そうでもないかもという事を後述します)
– Betaflight 4.1でサポートされるDJI HDLだとレスポンスが劇的に速くなる(現状のSBUS互換でも問題は無い)

以下、使用してみて感じたことを思いつくままに書いて行きます。

[ 設定は簡単 ]
OpenTXにしてもDeviationにしても最初に問題となるのは送信機自体の設定です。その点、DJIのシステムでは悩むところがないです。そもそもモデルを作るという作業がありません。ActivationしてAir Unitとリンクすれば必要なリソースは割り当て済みです。

[ スティック ]
モード1とモード2が選択できます。それぞれの改造も非推奨ながら可能ではあるらしいです。
わたしはあまりスティックフィーリングにこだわりがないので、使用感に全く問題はないです。各スティクの強さやスロットルのラチェットの有無などは調整出来るようになっていますが、私自身はスロットルを少し柔らかくしただけで他は触っていないので調整しやすいかどうかはよくわからないです。
OpenTXみたいにスティックのエンドポイントの調整がFPVシステムの中で行なえます。ただし1000,1500,2000みたいにピッタリと決まらないです。999,1501,2002みたいな感じですしセンターも少しブレます。実用上は問題が出るほどではありません。

[ スイッチ ]
写真を見るとたくさんのスイッチがあるので期待していたのですが、Betaflightから使用できるのは4つの小さな3ポジションスイッチだけです。まあ、とりあえず的には足りないことはないですが、プリアーム用にもう一つモーメンタリスイッチがあれば完璧であったのにと思います。ダイヤルとか押しボタンスイッチがありますが、それらはDJI FPVシステム内部で使用されるものです。設定や録画ボタンはゴーグルのものを使えば良いのでRC上に必要な気がしないです。

[ ゴーグルより電波の掴みが弱い? ]
FCが受信機の信号を失うという事象を2回経験しました。

この時は操縦位置の真横に200mほど離れたところでした。まったく予想していなくアンテナ表示がどうだったかは覚えていません。ゴーグルで見えている映像は墜落直前までまったく問題がなかったので予想外の墜落でしたがBlackboxログを確認するとRX Signalが途切れているのが分かります。上の動画では下のグラフがRX Signal ReceivedとRX Flight Ch Validです。
後日、同じ場所を飛ばしてみるとアンテナの本数が減ることが確認出来ました。画質に頼らずアンテナに気をかけていれば予測できることかも知れません。

このケースもゴーグルの録画は接地した瞬間まで完璧に見えていました。上の録画を見ると分かるようにかなり低空を飛んでいたので電波の状況が良くない上に回頭したため機体のアンテナがバッテリーに隠れてしまったため受信機のリンクが切れたものと思います。接地後になっていたアラームは信号ロストのためと思われます。
機体はアームが切れると700mWから25mWに出力が落ちる設定になっているので、接地後はゴーグルもRCもリンクを失っていました。機体を回収するために近づいていくとゴーグルは割と早くに画像が見えるようになりました。RCの方は3インチ機が目視で確認出来るくらいまで近づかないとリンクが回復しなかったです。

Air Unitの出力は700mWにしていたので200mくらいで信号を失うとは思っていませんでしたが、これは機体のアンテナ位置に問題があると思います。


このように機体の後ろに2本のアンテナを突き出すのが標準的なマウント方法ですが、これだと自分から遠ざかる時は問題ありませんが反転して自分に向かって来るときにはバッテリーにアンテナが隠れてしまいます。この問題はアナログVTXでもしばしば経験することですが、操縦系統さえ問題なければ機体の向きを変えながらリカバリー可能です。

このRCでロングレンジに挑戦したくはないです。なんと言っても画像がまったく問題ないうちに操縦出来なくなるのはとても残念なことです。せっかく持っているので、しばらくは使いますが、そのうちFrSkyもしくはCrossfireに変更することになると思います。

と書いていたところ下のYouTube動画を見つけました。

機体のアンテナを変更して、もう少しテストしてみるべきかと思いました。

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DJI Digital FPV SystemのAir UnitとFCの間は最大で6本のワイヤー、映像システムだけならば4本のワイヤーを結線します。Air Unitには純正ケーブルが付属していますが、これが信じられないくらいチープです。

ちょっとハンダコテで加熱すると写真のように被覆が溶けていきます。とても素早いハンダ付けが要求されます。FPVドローンを始めてから様々なパーツを使ってきましたが、付属するケーブルはすべてシリコン被覆のものでした。被覆が溶けるという体験は子供の頃のラジオ工作以来、久しぶりのことでした。

そこで、純正以外のケーブルを探すことにしました。まずはコネクターの種類を特定しなければなりません。これはTwitterという集合知のおかげで探す前に自然と知ることができました。JST-GHというコネクターで1.25mmピッチで8ピンのものを探して見つかったのが下のものです。

残念ながらこれもシリコンワイヤーではありませんでしたが、DJI純正と違い耐熱性のあるものですので工作に不安はありません。

中国だと、こういうパーツが通信販売で簡単に適正価格で買えるのが良いところです。ちなみにDJIの純正ケーブル一本の価格は29元ですが、この代替ケーブルは一本1.5元でした、10本買って送料も入れて25元とかなりお値打ちでした。

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DJI Digital FPV SystemのAir Unitを5インチと3インチの2機に搭載してみました。マニュアルやYouTubeの情報に従えば、FPVドローンのメンテナンスを経験している人には難しいことはありません。

[ 配線 ]
Air Unitからは6本のリード線が出ています。電源(7.4V-17.6V)、UART RX/TX, 受信機とシグナルグラウンドです。送受信機をFrSkyなどDJI以外のものを使用する場合は受信機以外の配線を行います。Goggleを使用せずにRemote Controllerをリンクすることは可能なので受信機の配線だけを行うということも可能かもしれませんが、そういう人は居ないと思います。

UARTは空いているポートに接続します。このポートを通じてAir UnitとBetaflightが情報を交換します。既存のシステムでいうところのテレメトリー的な目的で使用します。

リード線の被覆が熱に弱いのでハンダ付けは一瞬で済ませなければなりません。FPVドローンのパーツに付属するワイヤーはシリコンワイヤーのものしか見たことがないので、久しぶりに溶けまくる被覆に苦労しました。

以下に上海のドローン仲間によるDJI FPV Systemを含む5インチドローンの組み立て動画を埋め込んでおきます。

[ カメラ ]
カメラの大きさは一見するとマイクロサイズですが、実際には幅が20mmあるためマイクロ用(19mm幅)のカメラマウントには装着できない場合もあります。機体の作りによっては遊びがあるので問題ない場合もありますので、実際に試してみるしかありません。

[ Air Unit ]
Air Unitは堅牢なケースに格納されているので、入るだけのスペースさえ確保できればなんとかなります。DJI対応の機体がちらほら出てきていますが、その場合はTPUで作られた専用マウントが付属していたりします。

[ Betaflight ]
– PortsタブではUARTを接続したポートに対してConfiguration/MSPをオンにします。Betaflight Configurator用に一番上のUSBポートもMSPがオンですので、2つのMSPスイッチが入ることになります。
– Remote Controllerを使用する場合はConfigurationにてSBUSを受信機として設定します。Betaflight 4.1になるとDJI HDLという受信機プロトコルが使用できるそうです。4つの3ポジョンスイッチもすぐに使えるようになっていますのでModesタプを通常通り設定します。

[ 5インチ機の実装例 ]
フレームはDJI FPV対応のiFlight DC5ですので、無理なく搭載できました。Air Unitやアンテナを取り付けるためのパーツがあるのでとてもすっきりとした仕上がりです。



MATEK F722-STD
DALRC Engine Pro 40A BLHeli32 4-in-1 ESC
EMAX ECO 2306 2400KV
DALPROP 5045

[ 3インチ機の実装例 ]
マイナーな迷你外星人3寸穿越机架という中華フレームです。GoPro Hero5 Sessionを積んでがんがん飛んでいたパワフルな3インチ機にDJI FPVを載せてみました。カメラマウントはまったく問題なしです。スペースを確保するためにMamba F4 miniタワーを平積みしました。MambaのESCはサイズが大きいのでFCを同じレベルで並べることは出来ません。そのため、スタッドを5mm高くしてAir Unitのスペースを確保しました。小さいサイズのESCならばオリジナルの大きさでも大丈夫と思います。
横に並べるためにFCは後ろ向きにならざるを得ません。これはBetaflightのBoard and Sensor AlignmentにてYawを180度回転させて対処しています。

迷你外星人3寸穿越机架(Mini Alien 3inch frame)
MANBA F4 MINI MKII
MANMBA F25 4in1 ESC
T-Motor F20II KV3750
GENFAN 3052

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DJI Digital FPV Systemと既存のAnalog VTXとの干渉を簡単にテストしてみました。

写真の様に机上に2つの機体を並べての至近距離でのテストです。手順はアナログ機をRacebandのChannel 1に設定、CE/SRRCに設定されているDJI FPVの機体を電源オン、電源オンの時には一時的にDJI Channel 8が使用されるのでそれをアナログ側で観察、その後DJIをChannel 1, 2, 3と切り替えて双方のゴーグルで様子を観察、そしてアナログVTXをRaceband Channel 2, 3… 8と変更して同じテストを繰り返すという手順です。出力はどちらも25mWでテストしました。

DJI SRRC 8 1 2 3
Raceband Frequency 5839 5735 5770 5805
1 5658 NP NP NP NP
2 5695 NP NP NP NP
3 5732 NP A-Noisy, D-Weak Signal NP NP
4 5769 NP A-Slightly Noise A-Heavy Noise, D-Weak Signal NP
5 5806 A-Heavy Noise NP A-Slighly Noise, A-Heavy Noise, D-Weak Signal
6 5843 A-Black Screen NP NP NP
7 5880 A-Light Noise NP NP NP
8 5917 NP NP NP NP

[ 結論 ]
– だいたい予想通りですが、がっつりと周波数がぶつかることは避けなければならない
– DJI FPV側は打たれ強い印象、表でWeak Signalと書いているケースでも画像そのものは問題なく見えていた、しかし距離が出ている場合には問題が出るような気がする
– DJIの電源投入時に影響が出るのでRaceband 6は使用できない(CE/SRRCの場合です), Raceband 5にも影響があったのは良くわからない、わたしの環境に問題があるのかも
– 場合によってはアナログ側のチャネル2つにまたがって影響が出ているがSlightly Noiseと書いたところは、距離が離れていれば問題ない気がする

注意: FCC/MICモードではDJI側のチャネル周波数が変わるので、このテーブルをそのまま適用はできません。

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