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Insta360 GO 3のカメラ本体は小型でFPVドローンに搭載するのに適しています。ただし初代Insta360 GOに比べるとだいぶ大きくなり、重量も35gほどあり超小型のドローンには少々重くなっています。
そこで試しに100g未満の2S FPV機に載せて飛ばしてみました。重さは感じますが、慣れてしまえば軽いアクロバティクな動作も可能でした。ということで、GO 3をFPV機に載せて撮影する時のわたしの設定や気がついた事柄をつらつらと書いておきます。

[ ビデオモード ]
動画の撮影には二つのモードがあります。撮影時に縦横比やスタビライズの掛け方を決めておく「動画」、撮って出しが可能な簡便な撮影モードです。もうひとつは「FreeFrame動画」で初代GOからある縦横比もスタビライズも後から携帯電話アプリもしくはPC上のアプリで決定を行うモードです。これはカメラのセンサーをフルに活用し真四角くかつ丸い動画を記録します。四角で丸いという意味は下の写真をご覧ください。これをアプリケーションで加工します。最近の流行りの縦長動画も後から作れます。またスタビライズは同時に記録されているジャイロデータを使用します。スタビライズの掛け方も後から選択できます。
FPVドローンではFreeFrame一択とわたしは考えます。

[ 録画可能時間の謎 ]
わたしのGO 3は64GBモデルです。これで実際のところどれくらいの動画が撮影できるのかが気になるところです。本体のプレビュー画面の左上に残り時間らしきものが表示されています。そこにはFreeFrame動画の場合は1h37mと出ています。FreeFrame動画もプレビュー画面で縦横比、解像度、フレーム数を選択することが出来ます。ところがどの設定を選んでも残り時間が変わりません。そこで実験です。

[ FreeFrame動画の実験 ]
まずは1440P/50FPSにして実際に録画をしてみたところ1時間35分ほど録画出来ました。表示されていた残り時間は正しいようです。次に各設定で録画したデータの検証です。結論から言うと、どの設定にしてもビットレートは約80Mb/sと変わりませんでした。つまりストレージの消費は設定に関わらず同じですので残り時間が同じになるのは当然です。

もう少し掘り下げてみます。画面上の選択肢は三種類あります。縦横比が16:9と9:16です。これはプレビュー表示の変更だけであることは容易に想像出来ました。解像度は1440Pと1080Pが選択できますが、実際に録画されたデータを検証するとどちらも2688×2688の動画になっています。動画を再生してみても差があるように思えません。もしかすると将来的には差が出るような計画なのかもしれません。フレームレートは50, 30, 25, 24が選べます。これは正しく録画されたデータに反映されていました。ただしビットレートはどれも同じです。画質に差が出ているかテストしてみましたが、ほとんど同じに見えます。1440P 50FPSがやや荒いようにも感じますが、ほぼ気のせいレベルです。静止した対象物でのテストしか行っていませんので、動きがある場合は何か違う可能性もあります。とりあえずは好みのフレームレートを選択すれば良いと思います。もしかするとこれも将来のファームウェア更新で変わってくるのかもしれません。

[ ISO/シャッタースピード/WB ]
お手軽撮影が売りのInsta360 GOシリーズですし、ISO, シャッタースピード, ホワイトバランスを自動で撮影しました。私的には概ね問題無しです。

木陰を通り過ぎる時にじわっと画面の明るさが変化しています。GoPro Hero6で同じことをすると急激にかくっと感度が変化してしまうと思います。それを経験して以来、GoProではISO固定で使用していますので、最近のモデルで何か変わったかどうかはわかりません。

じわっとした感度変化も嫌う場合はISO, シャッタースピードを手動設定するしかありません。プレビューが簡単に出来るので手動でも失敗がないのは大きな利点です。

[ スタビライズ ]
Gyroflowを使用しています。同期ポイントの手動設定は必要ありません。FOVやスタビライズの強さなど自由に変更出来るのが魅力ですが、規定値のままで問題無しです。画面の補正はリニアな感じになります。縦長の動画やワイドレンズっぽい湾曲した画面が欲しい時にはInsta360 Studioを使用すると良いでしょう。

[ カラー・プロファイル ]
シーンに合わせた多彩なフィルターが用意されていますが、わたしはFlatを使用しています。これは画像編集ソフトで色の調整が必要になります。どのLUTを使うべきか情報が見当たりませんがCaddx Peanutと同様にInsta360 X2用のLUT、ONE-X2-LUTを適用すると良い感じにノーマライズされます。X3-LUTでも良いかもしれません。X2用もX3用も、どちらもほぼ同じに見えます。

LUTファイルはInsta360のダウンロードページにあります。

[ アクションポッド ]

液晶の付いたポッドは特別なことをしなくても常にカメラ本体と接続されています。ドローンを離陸位置にセットしてからポッドでプレビューを確認し録画をスタートする。また着陸したらポッドから録画を停止する。という使い方が出来ます。FPVドローンの使用シーンにおいて完璧なリモコン装置です。

[ 風切り音 ]
動画の中にプロペラ音を取り込むのが好きなので録音機能が搭載されているのはとてもありがたいです。
音声設定は3通りあります。「風切り音低減」「ステレオ」「方向性強調」です。「風切り音低減」を使用したところ、今まで試したどんなHDカムより優秀でした。ほぼ風切り音のない動画が出来上がりました。

[ NDフィルター ]
購入時にはレンズ保護のための透明なフィルターが装着されています。まだ公式なNDフィルターは発表されていないと思います。サイズ的にはCaddx Peanut用のNDフィルターが装着可能でした。ただし、このNDフィルターは色温度が変わってしまうことが分かっています。当面、NDフィルターは使用せずに撮影することにします。

[ マウント ]

Insta360 GO 3マウント(GoPro互換)

Insta360 GO 3マウント(RunCam Thumb Pro共通)

Insta360 GO 3をsub100なドローンに載せるべくマウントを作成しました。RunCam Thumb Proのマウントと互換性を持たせて現在RunCam Thumb Proを載せているドローンにそのまま搭載できるようにしました。

やや重いですが、何とか飛べます。リカバリー失敗して接地したりもしましたが、アクロバティックな飛び方も出来ました。

この動画は3SなGG BONE FIVE F/Sですが2Sで飛ばしているTinyAPEでも同様に飛ばせました。実はかなりダメダメなフライトでしたがスタビライズでスムースになりました。

Insta360 GO 3をFPVで使ってみた感想をいくつか書いておきます。
– 初代と同じく後から縦横比やスタビライズの掛け方を変更できるようにするためにはFreeFrame動画で撮影する。FPVにはFreeFrameが適しています。これだとGyroflowも使えます。
– GO3本体のボタンにFreeFrame動画を割り当てましたがポッド(液晶の付いた部分)とは常に接続されているのでドローンを地面に置いたあとにポッドからプレビュー画面を確認の上でポッドから録画スタートする方が便利だと思いました。
– 64GBモデルでバッテリー4本飛ばしてストレージ使用量20%でした。十分とは言えますが、128GBにしておけば良かったかなと少し思います。

マウントのSTLファイルはThingiverseにて公開しています。
https://www.thingiverse.com/thing:6123410

またマウントの販売も行なっています。
https://dskozak.stores.jp/items/64b21ef5e29535006d3865bd

いずれFPVドローンに載せるつもりのInsta360 GO 3を取り急ぎ車に載せて運転の様子を撮影してみました。

入手したのは64GBの標準キットです。GoPro標準マウントが必要な場合は別売のマウントが必要ですが、一般的な用途であれば標準キット(通常版)で十分です。すでに紹介動画も多数ありますし、ここでは詳細は省き使ってみた感想的なことを書いておきます。

GO 3の今までになかった特徴は液晶パネル付きのポッドに取り付けると一般的なアクションカメラ的に使えるところです。まずはアクションカメラ的な使い方を試してみます。

車のダッシュボード上にキット付属のスティキーパッドで良い具合に固定できます。簡単に剥がすことが出来るのですが、普通に運転していて動いてしまうようなことはないという絶妙な粘着力です。また車のUSB充電コネクターから給電しながら録画すれば電池切れの心配はありません。

最初はFreeFrame動画で撮影しました。これは最初のInst360 GOと同じで、センサー全体を生かした四角い動画を収録して、ポストプロセスにて16:9, 9:16など画像縦横比の変更や手ブレ補正をかけるモードです。2688×2688 50FPS、約80Mb/sで録画するため64GBの内蔵ストレージは1時間30分ほどで一杯になってしまいました。iPhoneにデータを吸い上げてから続きのテストを行いました。iPhoneにコピーしたデータはiPhone上のアプリケーションで処理することも出来ますし、生データをiPhoneからPCにコピーしてPC上のアプリケーションで処理することも簡単に行えます。

64GBのストレージでは長時間ドライブの記録は無理かとも思いましたが、今回のGO 3ではアプリケーションによるポストプロセスが必要のない撮って出しの出来る動画撮影も出来ます。解像度を低めにすれば大幅に記録容量を節約できます。64GBでも1080P/30FPSなら4時間以上、1440P/30FPSならば3時間弱の録画が可能です。ということで1440P 30FPSでも録画してみました。

録画した結果はYouTubeにアップロードしています。

ISO/シャッタースピード全て自動にセットしています。トンネルの出入りでの明るさ調整も滑らかで好印象です。FPVドローンでのGoPro撮影では少なくともISOを固定しています。そうしないと木陰から陽の当たるところに出る時などに不自然な明るさの変化がありました。GO 3はもしかすると自動のままでも大丈夫かもしれません。夜間の撮影はややノイズが多いような気もします。

色々なメカなどとても良く出来ていて所有するだけでも満足感が得られます。唯一、後悔しているのは128GBにしておけば良かったなということくらいです。

2020年に剥きプロとInsta360GOが登場し小さいFPV機にも録画用のカメラを載せることが普通になりました。それ以来、わたしのFPVドローンには何かしらカメラを搭載しています。マウントは既製品がほとんど存在せず3Dプリンターで部品を作ってきました。ドローンに付属しているマウント部品があれば、それに合わせてカメラ側のマウントを作るし、カメラに良いマウントが付いていればそちらに合わせたてドローン側を作ります。問題は互換性のないマウントを複数持つことになり、カメラを別のドローンと入れ替えることが簡単ではないことです。

大きいものならばGoProマウントというディファクトスタンダードがあります。小型機用も独自にマウントを共通化したいという思いはいつも頭のどこかにありました。

最近RunCam Thumb Proを活用することが増えてきて、その付属マウントがちょうど良い大きさで作られていることが分かりました。RunCamのサイトには図面もありますし、これを活用することにしました。

[ 継ぎ手部分のモデル ]
 

STEPファイル
機体ベースのSTLファイル
カメラ側のSTLファイル
RunCamの図面は余裕が考慮されていないので少し隙間を与えています。PLAで出力して軽く噛み合わせることが出来ます。

とりあえず成果物は二つあります。

[ RunCam Thumb ]

STLファイルはThingiversにあります。
https://www.thingiverse.com/thing:6074400
出力品の販売もあります。
https://dskozak.stores.jp/items/6486d2ef7e9540002bfca556

[ Caddx Peanut ]

STLファイルはThingiversにあります。
https://www.thingiverse.com/thing:5012350
出力品の販売もあります。
https://dskozak.stores.jp/items/648aba1183d26a002e8d3ef6

どちらも過去に紹介したRunCam Thumb Pro用のマウントを搭載した機体にそのまま搭載できます(電源ケーブルは別の話しになりますけど)。
TinyApe用RunCam Thumb Proマウントの作成
GG BONE FIVE F/S用のRunCam Thumb Proマウントの作成

信奉するChris RosserさんのビデオBetaflight 4.4 Tuning Guide + Tips and Tricks for the BEST tune!で室内でもPIDチューニングが可能であることが紹介されていました。最近の小型AIO FCにはブラックボックスが搭載されるようにもなりましたし、室内機でも本格的なPIDチューニングを試してみるしかないです。

手順についてはChris Rosserさんのビデオを見ていただくのが間違いが無くてよいのですが、実際にわたしが試したチューニングの様子を紹介します。

チューニングを行ったのはSub250 Whoopfly16です。75サイズの1Sドローンで屋外でも軽快に飛行できます。

チューニングはPIDtoolboxを使用してブラックボックスログを確認して行います。

[ RPMフィルター設定 ]
 
双方向DSHOTを使用しRPMフィルターを有効にしておきます。モーター極数の設定も忘れずに変更しておきます。ざっくり言うと小型モーターは12, 大きいのは14ですが、実際にモーターベルに付いている磁石の数を数えるのが確実です。

[ RC_LINKプリセット ]

RC Linkに合わせたプリセットを適用します。これによってRCスムージングとFFが適切な値にセットされるはずです。

[ ブラックボックスの設定 ]
ブラックボックスログレートを2KHz, デバックモードにGYRO_SCALEDを指定しておきます。

[ フィルターの設定 ]

RPMフィルターを使用した場合のChris Rosserさんのオススメにしました。Betaflightの規定値よりだいぶ軽くなっています。ジャイロの静的フィルターは使わずRPMフィルターと動的ノッチフィルターだけを使用します。D値ローパスフィルター1は画面のように変更します。周波数は機体サイズによって変わります。詳細は最初に紹介したビデオの12:28にあります。D値フィルターはこのひとつだけです。
フィルターは効果さえあれば軽い方が良いです。余談ですが軽いというのはプロセッサー負荷よりもジャイロデータのフィルターによる遅延の少なさという意味合いが大きいです。軽くするためにはフィルターの種類を少なく、かつカットオフ周波数を可能な限り高くすることが必要です。

[ ジャイロノイズの確認 ]
ジャイロノイズを確認するためのテスト飛行はスロットルを滑らかに最小から最大まで動かし様々なモーター回転値でのデータを取得するのが理想です。屋外ならば100%スロットルまで試します。室内テストではなかなか最大値は難しいので可能な範囲でスロットルを動かします。
取得したブラックボックスログをPIDtoolbox/Spectral Analyzer/Freq x Throttleで解析します。

左からフィルター前のジャイロ値、フィルター後のジャイロ値、D値のフィルター前と後です。一番左のグラフの取得にはブラックボックスデバッグモードのGYRO_SCALEDが必要です。ジャイロの下の方で光っている部分は実際の機体の姿勢を表す真のジャイロデータです。100Hzより上に現れるデータはノイズと考えて良いです(クラッシュした時は別ですけど)。フィルター前のジャイロデータで右上がりの濃いデータがあります。これはモーターからくる振動です。横軸のスロットル位置、すなわちモーターの回転数に比例してノイズの周波数が上がっていることを示します。これを効果的に取り除くのがRPMフィルターです。
このグラフを見る限りフィルターはうまく働いているようです。D値の方は詳しくありませんが、 他の機体のデータと比較しても悪く無い方と思います、機体の固有振動などがあるとスロットル位置に関係なく一定の周波数のノイズが現れることがあるかもしれません、その場合は静的ノッチフィルターで対処する必要があります。

テスト飛行後に念の為、モーターが加熱していないかどうかも確認しておきます。

[ PIDチューニング ]
いよいよPIDチューニングです。室内でアングルモードで行います。PID値の変更はスライダーで行います。Betaflight ConfiguratorでもOSDメニューでもどちらでも調整出来ます。まず最初にI強度を0にします。もしアクロモードでチューニングを行う場合はFF値も0にします。

まずは現状の確認です。なるべく色々とスティックを動かし20秒ほど飛行します。ブラックボックスデータを所得しPIDtoolbox/Step Resp Toolで解析します。

このままでも普通に飛ばせそうにも思えますが、ややオーバーシュートして、その後に波打っているのを直していきます。

最初に見出すのはPDバランスです。調整するスライダーはP&I強度です。実際のところD値を固定してP値を探る作業になります。現状ではオーバーシュート気味なのでP値を小さくする方向で素直に収束するところを見つけます。P&I強度を徐々に下げて行って取得したデータをひとつのグラフで表現しました。

本来は1に収束するはずですが、1より少し大きいところで収束しているのは謎ですが、軌跡の形状だけで判断してみます。なかなか微妙ですが水色(RollのP値が22のもの)が一番理想に近いように見えます。これはP&I強度が0.5のものです。

次に基準値倍率設定の最適値を探ります。上の設定でP値がだいぶ小さくなったのでレスポンスがかなり遅くなっています。倍率設定でPDバランスを変えることなく両方の値を変更出来ます。軌跡が乱れることなく素早く立ち上がるように設定します。目安としては規定値のPに近くなるところが良いのではないかと思います。

赤が基準値倍率を2.0にしたものです。YAWをみるとちょっと強めすぎにも思えますが、このまま進めます。もし基準値倍率が2.0では足りない場合の調整方法についてはビデオの23:31からご覧ください。

I値(アクロの場合はFF値も)を元に戻して最終確認です。

3軸ともなかなか良い感じになりました。ややオーバーシュートしてすぐに安定しているのが良い設定と思います。

PIDスライダーの最終的な状態は以下の通りです。

[ 動的アイドル値の設定 ]
Chris Rosserを信用して1.6インチでのおすすめ値の94を設定しました。28:41に解説があります。ここで各プロペラサイズと推奨値が書かれています。1.2インチについては推奨値がありません。室内飛行では必要ないからかもしれません。もし設定するとすれば1.6インチと同じにしておけば良いのではないかと思います。

以上でチューニングは完了です。正直なところわたしの飛ばし方ではチューニング前と後で変化を感じることはありませんでした。

機体の設定をDump/Diffのテキストファイルから読み解きたいことがまれにあります。大部分は意味のある文字列が書いてありますし、受信機の種類などは記憶していたりするので良いのですがConfiguratorのPortページのデータが曲者です。どのUARTが受信機だったとか、VTXのプロトコルがIRC TrampだったかSmartAudioだったとか重要な項目ですが、記憶するのは難しいですしDump/Diffデータも意味不明の数字でしかありません。ということで、これについて調べたことを書いておきます。タイトルはSerial編として続きがあるように見えますが、次に何かDump/Diffで困ったことが見つからない限り書く予定はありません。

上はとある機体のPortsタブです。これに対応するDumpデータは以下のようになっています。
# serial
serial 20 1 115200 57600 0 115200
serial 0 8192 115200 57600 0 115200
serial 1 64 115200 57600 0 115200

最初のserial 20で始まる行はdiffの出力には現れません。これはUSB VCPに相当すると容易に想像が付きます。またserial 0がUART1でserial 1であるというのもほぼ確信を持って言えるでしょう。それに続く数値もPortsタブの設定を変化させて探っていけば自分が必要な項目は拾い出せるとは思いますが、今ひとつスマートではありませんし確信を持って語ることは出来ません。

正しい情報を得るべくソースコードを読んで探していたのですが、結局ドキュメントにまとめて書かれていることが分かりました。ということでbetaflight/docs/Serial.mdを読んでいただければ全ては解明します。

それだけではつれないので簡単に説明を加えておきます。serialに続く最初の数字がポートでUART番号から1を引いたものです。またUSBは20、softserialは30から始まります。
その次の数字がFunctionで、これが今回知りたかったものです。その後にボーレート(シリアルインターフェースの速度)がいくつか続きます。Ports画面には速度はひとつしか表示されていないのが謎ですが、とりあえずあまり変更するものではないので置いておきます。

Functionについては次のように定義されています。

2. Serial Port Function

Function Value
FUNCTION_NONE 0
FUNCTION_MSP 1
FUNCTION_GPS 2
FUNCTION_TELEMETRY_FRSKY_HUB 4
FUNCTION_TELEMETRY_HOTT 8
FUNCTION_TELEMETRY_LTM 16
FUNCTION_TELEMETRY_SMARTPORT 32
FUNCTION_RX_SERIAL 64
FUNCTION_BLACKBOX 128
FUNCTION_TELEMETRY_MAVLINK 512
FUNCTION_ESC_SENSOR 1024
FUNCTION_VTX_SMARTAUDIO 2048
FUNCTION_TELEMETRY_IBUS 4096
FUNCTION_VTX_TRAMP 8192
FUNCTION_RCDEVICE 16384
FUNCTION_LIDAR_TF 32768
FUNCTION_FRSKY_OSD

IT屋さんにはおなじみの数字が書かれています。これは10進数ですが、バイナリーにするとひとつのビットになります。これはひとつのポートに複数のFunctionをもたせることが出来るようにしているからです。現実性は無視して例を上げるとUART1にGPSとFRSKY Telemetryの機能を持たせた場合は2+4で6にセットされます。

最初にあげた例に戻ってみます。

serial 0 8192

はUART1がFUNCTION_VTX_TRAMP、また

serial 1 64

はUART2がFUNCTION_RX_SERIALであることが分かります。ということでPorts画面と一致していることがわかります。

前回の飛行で折れてしまったフレームを交換するのと同時にキャノピーをHappymodel Trashcanのものに変更しました。これでカメラアングルを浅くできます。ただ見た目もSAILFLYというよりRedDevilになってしまいました。

カメラアングルを25度ほどにして試しにマンションの庭で飛ばしてみましたが、やはりパワーがありすぎて狭いところでまったりとは飛ばせません。

ということで公園で飛ばしました。

いきなりデスロールです。予備に買った赤いプロペラが外れやすいです。フロスという歯間ブラシをモーター軸とプロペラの間に挟み込む技を使っていても時々はずれます。ロックタイトというネジの緩み止めが有効かもしれませんが、現場に持っていくのはフロスの方が手軽です。

 

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Sailfly X death roll again😩 #fpv #toothpick

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ゆっくり飛ばそうと思っていても、パワーウェイトレシオが高いためかすぐに速度が出てしまいます。それなりの広さがあれば、それも楽しいです。

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Sailfly-X eights around points #fpv #toothpick

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あまり深く考えずにリラックスして飛ばすのが楽しいです。いろいろと技の練習することを考えて出かけたのですが、すっかり忘れて飛ばしていました。

快適に飛ばしていましたが最後にまたフレームを壊してしまいました。本格的に対策を考えねばなりません。

BetaFPV Beta85X用のフレームを利用したブラシレス機にハマっています。そのために幾つかのFC (Flight Controller)試してきましたので、それらについてつらつらと書いていきます。

BetaFPV F4 Brushless Flight Controller and ESC
Beta65X, Beta75X, Beta85Xに使われているFCです。Xシリーズでも新しいものはFCとESCが一枚に収まったもの(AIO)に変わっていますが、ここで紹介するのはFCとESCが2階建てになったものです。
ESCに幾つかの種類があります。最終版はBLHeli_32 16Aのものです。当初は4Sで稼働できるとアナウンスされていましたが、問題があり2Sもしくは3Sで使用します。BetaFPV 1105 6000KVモーターを使用しての3Sフライトは快適です。
ただし2階建て構造による問題もよく発生します。FCとESCは2つのコネクターのみで固定されています。コネクターの接触不良でモーターが回らなくなったり、墜落や度重なるメインテナンスによりコネクター自体が破壊されることもあります。信頼性は他のAIOボードには劣ると言わざるを得ません。

Crazybee F4 Pro V1.0
Eachine Trashcanに使用されているFCで1S,2S対応です。FCとESCがひとつのボードに収められています。ESC部分はBLHeli_S 5Aです。何故か入手したCrazybeeのFCはすべてBetaflight 4.0の開発版が搭載されています。それ故、最新のBeatflight Configuratorとの組み合わせで問題が出たりします。
色々とハードウェア的な問題も報告されていて、わたしも経験しています。ひとつはバッテリーを接続する部分の半田パッドが簡単に剥がれてしまうことです。ハードランディングで剥がれたり、単純に作業中に剥がしたこともあります。リカバリー出来ないことが多いので、かなり致命的です。もう一つはボード上で5Vを作り出すレギュレーターが故障してしまうことです。バッテリーを接続してもFCが起動しないがUSBケーブルをバソコンに接続すると正しくFCが認識される場合は、この問題である可能性があります。外付けの5Vレギュレーターを追加して修復することは可能です。わたしも、その状態でしばらく飛ばしましたがなんとなく気持ちよくないので使用するのはやめました。

キャノピーの後ろに載っているのがあと付けの5Vレギュレーター

Crazybee F4 Pro V2.0
Happymodel Mobule7 HDに使用されているFCで2S,3S対応です。V1.0の弱点であったバッテリーを接続する部分が改良されてスルーホールになっているのでかなり安心です。5Vレギュレーターの故障がどうなったのかは良くわかりませんが対策として電解コンデンサー付きのXT30バッテリーケーブルが販売されています。

最近流行りのSailfly-XにはCrazybee F4 Pro V2.1が搭載されています。VTXもコネクター接続になっていたりとV2.0からかなり変わっているようです。気になっていますが未入手です。

HBS-F405 2S
使用例が見つからないのですが、お気に入りのFCです。全てのハンダ付けポートがスルーホールになっていて工作の信頼性を高くできます。予備も購入するくらい気に入っています。

GEPRC GEP-12A F4 Flight Controller 12A ESC
BetaFPVからもほぼ同じFCが販売されています。ただしBetaFPVの方はブザーポートがありません。ワタシ的には外で飛ばすのにブザー必須ですのでGEPRCの製品を選択しました。このボードもバッテリー接続部分はスルーホールになっているので安心です。
期待の4S対応品です。ただし4Sで飛ばすためにはKV値の小さなモーターを使用しなければなりません。BetaFPVのサイトに詳細が書かれています。それによると4S用のモーターは1105 5000KVとなっています。モーターも4Sバッテリーも入手済みですが、まだテスト出来ていません。

発売当初に問題になっていたESCが発火する問題が解決されたバージョンのBeta85Xを入手しました。

最近、Taranis Q X7SにCrossfire Micro TXみを搭載したのでCrossfire受信機搭載のものにしました。ただし85X HDでロングレンジを狙うつもりはありません。

最低限のBetaflightの設定で普通に飛びましたが色々と問題も発生。

[ VTXの電波が弱い ]
普通に飛ばしていて直ぐにわかるくらい電波が飛んでいません。Beta85XはVTXアンテナにLumenier AXIIが付いていることが特徴なのですが、この接続を疑いました。テスターをあてるとなんと心線とグラントがショートしています。アンテナを半田ごてで外してみるとVTX側もアンテナ側も問題は無さそうです。単純に半田付けをやり直して良くなりました。

[ 電圧の異常 ]
十分に充電されたバッテリー使用しているのにLow Batteryになる。バッテリーを再接続すると直ったりする。バッテリーを接続した直後は電圧表示が低く、その後しばらくして電圧が上がっていくのがOSDで見えることもある。FCとESCボード間のコネクターの接触不良を疑い直接ジャンパーケーブルを半田付けしてみたが、その後にも発生。今のところ原因不明。新しいLiHvバッテリーだけで発生しているような気もするが、はっきりはしない。

[ プロップウオッシュ ]
プロップウオッシュがあるとは聞いていましたが、かなり酷い状況でした。スロットルを絞って、と言っても0では無い、高度を下げる時やパワーループの後半でスロットルを0近くに絞っている時に激しくYawがぶれます。
まだテストが足りませんがBetaflight 4.0.0導入後にかなり改善された気がします。

[ Fly away ]
炎天下(と言っても4月上旬なので気温は30度以下)でしばらく飛ばした後にアームして少し上昇させた後、どんどん上昇してしまう現象が発生しました。旋回しながら高度を落としディスアームして着陸。後ろ側二つのモーターがかなり熱くなっていた。その後、再度飛行させても同じだったので、その日の飛行はあきらめて帰宅。帰宅後の室内テストは問題なし。
これも原因不明。Betaflight 4.0.0にして様子を見ることにした。

=> その後、送信機のスロットルに不具合が見つかりました。おそらく原因は送信機側にあったものと思われます。

– Betaflight 更新 –

色々と問題もあるのでBetaflight 3.5.0から4.0.0に更新しました。PID値は3.5.0のメーカー設定のものを使用して、“4.0 Tuning Notes”“I’ve already got a perfect tune on 3.5, I just want it to fly the same”の設定を行いしまた。ただし文章中に書いてあるI値を小さくするのを忘れたまま飛ばしていましたが、かなり調子よいです。この設定をベースに微調整していく予定です。

 

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Beta85X HD Betaflight 4.0 test. なんかプロップウォッシュが良くなかったかも。 #betafpv #beta85x

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BetaFPVのBeta85X用のフレームに既存の75mm 2SブラシレスのFCとモーターを移植して飛ばすのがとても楽しいです。適当に普通に飛びそうな2S機であれば、そのまま85mmフレームに載せて2インチプロペラに付け替えるだけで、パワフルで優雅な飛行を楽しめます。75mm機で気になっていたプロップウオッシュとそれに伴う予測不能な挙動もほとんどなくなります。

この構成はShutterBug85とも呼ばれています。私自身もMr ShutterBugのこのYouTubeビデオを見て作ることにしました。

常にメインテナンスと飛行の繰り返しなので仕様は変わっていきますが、今までに作った二機の仕様を紹介します。

[ 一号機 ]

Frame: Beta85X Frame
FC: CrazyBee F4 Pro (バターンが剥がれたり、5Vレギュレーターが壊れたりとトラブル続きなので今後は使用しない)
Motor: BetaFPV 1103 11000KV
Propeller: EMAX AVAN 2″
Camera+VTX: BetaFPV Z02 AIO
Canopy: BetaFPV Canopy
Receiver: FrSky XM+
Buzzer: 9mm

[ 二号機 ]

Frame: Beta85X Frame
FC: HBSfpv F4 (全ての端子がスルーホールなので信頼性の高い工作が可能、ほぼ情報は皆無なFCだがとても気に入ったので予備も購入)
Motor: Happymodel 1102-KV9000
Propeller: EMAX AVAN 2″
VTX: Whoop VTX
Camera: Caddx EOS2
Canopy: BetaFPV Canopy
Receiver: FrSky R-XSR (FPORT configuration)
Buzzer: 9mm