昔々の事です。日本のPC市場を事実上支配していたNECの9801にも黒船がやってきました。IBMのDOS/VとAT互換機です。IBMはすでに5550という独自企画の日本語DOS搭載機をビジネス用として販売していました。個人ユーザー向けの機種もありましたが、やはり裾野を広げるには至りませんでした。そこに登場したのがDOS/Vです。これはIBM PC-AT互換機、当時の認識では英語版のPC、にフロッピーディスクを入れてブートすれば日本語の使えるパソコンになってしまうというものでした。
日本でも外国人とごく一部のマニアなかたがたがAT互換機で遊ばれていたので、それを扱うお店もいくらかはありました。最初の頃はAT互換機もかなり高価でしたが、ハードを自由に選べるのは魅力的でした。
私が最初に購入したのはNBCCと言う会社が販売していた20GB HDD内蔵のA4ノートでした。キーボードも英語仕様の海外向けの製品です。DOS/Vを立ち上げて漢字が表示されたときは感激しました。CPUは後からCyrixのものに自分で張り替えたような気がするので386SXだったのでしょう。その次はショップブランドの386DX33ミドルタワーケース。その先は現在にいたるパーツばら買い時代突入です。
性能こそ当時とは比べものにならない現在のPCですが、今でもDOS/Vのフロッピーを入れればブート出来るはずです(HDDを使うのは難しいです)。移り変わりの早い世界において、これだけ息が長いスペックというのは大したものでしょう。
次世代のハードはROM BIOSの呪縛から解き放されると聞いています。インテルMACがそれを先取りしていることからもAT互換機時代の終焉も近いのでしょう。
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