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昔、Nokia S60向けにノートアプリを作っていた事もあり各種ノートアプリの同期機能が気になります。私がノートアプリを作っていた頃はクラウドなど使うこともなく母艦であるPCを中心に複数デバイスに同じデータを同期していました。それでも、かなり真面目に競合文書の検出を行っていました。クラウド対応も見込んでより洗練された同期処理の仕組みも考えてはいましたが各種プラットフォームでそれなりのノートアプリが出てきた事もあり実装には至りませんでした。
そんなこともあって3種類のノートアプリについて同期機能のテストを行ってみました。

3種類とは以下のアプリケーションです。
– Appleのメモ、Mac OS XとiOSデバイスの間でデータの共用が出来る。
– Evernote、おなじみですね。Windows, Mac OS X, iOS, Android, Windows Phoneでデータの共用が出来る。
– OneNote、Microsoftの標準ノートアプリながら、Mac OS X, iOS, Androidもサポートしている。

各ノートアプリの使い道はデバイスのサポート範囲とか特色で自ずと決まっていました。Evernoteは、その特徴であるWebクリップ、テキストの暗号化が必要なケース、PC中心の大きなデータで使い、OneNoteをデバイス中心の小さなテキスト用でカジュアルに使うのがとても適しています。Appleのメモはデバイスが限定されることだけでは無く、色々と今ひとつなのでiCloudに同期はしているものの一時的なメモとして使用しています。

長くなるので同期テストの結果を先に書いておきます。Appleのメモを除いて十分に納得の行くものでした。特にOneNoteはノートを開いたままでもダイナミックに別のデバイスの更新状況が反映されたり、またノートの内容を行単位でマージしてくれるなど、私の理想とする同期機能を超えた存在です。Evernoteでは競合文書になるべき時に内容が失われてしまったケースもありました。ただ、再現方法が分からないので勘違いかも知れません。

それではテストの詳細です。

[ テストシナリオ ]

  1. 同一ノートを別々のデバイスで交互に更新して同期
  2. 違う内容のノートを別々のデバイスで同時に作成して同期
  3. 同期済みの同じノートを別々のデバイスで同時に更新して同期
    1. 異なる内容
    2. 同じ内容
  4. 同じ内容のノートを別々のデバイスで同時に作成して同期
  5. 同じノートを開いたまま、別々のデバイスで更新

[ Evernote ]

MacBook AirとHTC Hero(Android)の間でテスト
テスト1 : 問題なし
テスト2 : 問題なし – タイトルが同じでも中身が異なれば別のノートになる。
テスト3 : 問題なし – 内容にかかわらず競合文書になる。時々競合文書にならずに片方の内容が失われたような気もするが再現方法が分からないので気のせいかも知れない。
テスト4 : 問題なし – 別々のノートとして扱われる。
テスト5 : PC側ではノートが開かれたままでも相手側の更新内容が反映されるが時間がかかる。双方で同時に更新すると競合文書になる。

競合文書の扱い : PC側では競合文書用のノートブックが作られる。端末側でも競合文書が確認できる。

[ OneNote ]

MacBook AirとHTC Hero(Android)の間でテスト
テスト1 : 問題なし
テスト2 : 問題なし – タイトルが同じでも中身が異なれば別のノートになる。
テスト3 : 問題なし – 内容の比較は行単位で行われている。行が違う部分で変更されたり行が追加されている場合は文章がマージされる。同じ行が違う内容で更新されていると競合文書になる。
テスト4 : 問題なし – 別々のノートとして扱われる。
テスト5 : PC側ではノートが開かれたままでも相手側の更新内容が反映される。双方で同時に更新すると行単位で比較しマージされたり競合文書になる。

競合文書の扱い : PC上では違うバージョンとして参照可能。端末では自動的に選択されたバージョンのみが表示される。

[ Appleのメモ ]

同期されるタイミングが良くわからない。手動での同期も出来ないのでテストにならなかった。競合文書と判定されると複数のノートになる。時折、事情が分からないが競合文書と判断されこともあり、同一のノートが複数になる気がする。そもそも同期しているにも関わらずデバイスによってタイトル数が違っていることもあるので、同期して使う事は考えない方が良い。

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