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2020年に剥きプロとInsta360GOが登場し小さいFPV機にも録画用のカメラを載せることが普通になりました。それ以来、わたしのFPVドローンには何かしらカメラを搭載しています。マウントは既製品がほとんど存在せず3Dプリンターで部品を作ってきました。ドローンに付属しているマウント部品があれば、それに合わせてカメラ側のマウントを作るし、カメラに良いマウントが付いていればそちらに合わせたてドローン側を作ります。問題は互換性のないマウントを複数持つことになり、カメラを別のドローンと入れ替えることが簡単ではないことです。

大きいものならばGoProマウントというディファクトスタンダードがあります。小型機用も独自にマウントを共通化したいという思いはいつも頭のどこかにありました。

最近RunCam Thumb Proを活用することが増えてきて、その付属マウントがちょうど良い大きさで作られていることが分かりました。RunCamのサイトには図面もありますし、これを活用することにしました。

[ 継ぎ手部分のモデル ]
 

STEPファイル
機体ベースのSTLファイル
カメラ側のSTLファイル
RunCamの図面は余裕が考慮されていないので少し隙間を与えています。PLAで出力して軽く噛み合わせることが出来ます。

とりあえず成果物は二つあります。

[ RunCam Thumb ]

STLファイルはThingiversにあります。
https://www.thingiverse.com/thing:6074400
出力品の販売もあります。
https://dskozak.stores.jp/items/6486d2ef7e9540002bfca556

[ Caddx Peanut ]

STLファイルはThingiversにあります。
https://www.thingiverse.com/thing:5012350
出力品の販売もあります。
https://dskozak.stores.jp/items/648aba1183d26a002e8d3ef6

どちらも過去に紹介したRunCam Thumb Pro用のマウントを搭載した機体にそのまま搭載できます(電源ケーブルは別の話しになりますけど)。
TinyApe用RunCam Thumb Proマウントの作成
GG BONE FIVE F/S用のRunCam Thumb Proマウントの作成

信奉するChris RosserさんのビデオBetaflight 4.4 Tuning Guide + Tips and Tricks for the BEST tune!で室内でもPIDチューニングが可能であることが紹介されていました。最近の小型AIO FCにはブラックボックスが搭載されるようにもなりましたし、室内機でも本格的なPIDチューニングを試してみるしかないです。

手順についてはChris Rosserさんのビデオを見ていただくのが間違いが無くてよいのですが、実際にわたしが試したチューニングの様子を紹介します。

チューニングを行ったのはSub250 Whoopfly16です。75サイズの1Sドローンで屋外でも軽快に飛行できます。

チューニングはPIDtoolboxを使用してブラックボックスログを確認して行います。

[ RPMフィルター設定 ]
 
双方向DSHOTを使用しRPMフィルターを有効にしておきます。モーター極数の設定も忘れずに変更しておきます。ざっくり言うと小型モーターは12, 大きいのは14ですが、実際にモーターベルに付いている磁石の数を数えるのが確実です。

[ RC_LINKプリセット ]

RC Linkに合わせたプリセットを適用します。これによってRCスムージングとFFが適切な値にセットされるはずです。

[ ブラックボックスの設定 ]
ブラックボックスログレートを2KHz, デバックモードにGYRO_SCALEDを指定しておきます。

[ フィルターの設定 ]

RPMフィルターを使用した場合のChris Rosserさんのオススメにしました。Betaflightの規定値よりだいぶ軽くなっています。ジャイロの静的フィルターは使わずRPMフィルターと動的ノッチフィルターだけを使用します。D値ローパスフィルター1は画面のように変更します。周波数は機体サイズによって変わります。詳細は最初に紹介したビデオの12:28にあります。D値フィルターはこのひとつだけです。
フィルターは効果さえあれば軽い方が良いです。余談ですが軽いというのはプロセッサー負荷よりもジャイロデータのフィルターによる遅延の少なさという意味合いが大きいです。軽くするためにはフィルターの種類を少なく、かつカットオフ周波数を可能な限り高くすることが必要です。

[ ジャイロノイズの確認 ]
ジャイロノイズを確認するためのテスト飛行はスロットルを滑らかに最小から最大まで動かし様々なモーター回転値でのデータを取得するのが理想です。屋外ならば100%スロットルまで試します。室内テストではなかなか最大値は難しいので可能な範囲でスロットルを動かします。
取得したブラックボックスログをPIDtoolbox/Spectral Analyzer/Freq x Throttleで解析します。

左からフィルター前のジャイロ値、フィルター後のジャイロ値、D値のフィルター前と後です。一番左のグラフの取得にはブラックボックスデバッグモードのGYRO_SCALEDが必要です。ジャイロの下の方で光っている部分は実際の機体の姿勢を表す真のジャイロデータです。100Hzより上に現れるデータはノイズと考えて良いです(クラッシュした時は別ですけど)。フィルター前のジャイロデータで右上がりの濃いデータがあります。これはモーターからくる振動です。横軸のスロットル位置、すなわちモーターの回転数に比例してノイズの周波数が上がっていることを示します。これを効果的に取り除くのがRPMフィルターです。
このグラフを見る限りフィルターはうまく働いているようです。D値の方は詳しくありませんが、 他の機体のデータと比較しても悪く無い方と思います、機体の固有振動などがあるとスロットル位置に関係なく一定の周波数のノイズが現れることがあるかもしれません、その場合は静的ノッチフィルターで対処する必要があります。

テスト飛行後に念の為、モーターが加熱していないかどうかも確認しておきます。

[ PIDチューニング ]
いよいよPIDチューニングです。室内でアングルモードで行います。PID値の変更はスライダーで行います。Betaflight ConfiguratorでもOSDメニューでもどちらでも調整出来ます。まず最初にI強度を0にします。もしアクロモードでチューニングを行う場合はFF値も0にします。

まずは現状の確認です。なるべく色々とスティックを動かし20秒ほど飛行します。ブラックボックスデータを所得しPIDtoolbox/Step Resp Toolで解析します。

このままでも普通に飛ばせそうにも思えますが、ややオーバーシュートして、その後に波打っているのを直していきます。

最初に見出すのはPDバランスです。調整するスライダーはP&I強度です。実際のところD値を固定してP値を探る作業になります。現状ではオーバーシュート気味なのでP値を小さくする方向で素直に収束するところを見つけます。P&I強度を徐々に下げて行って取得したデータをひとつのグラフで表現しました。

本来は1に収束するはずですが、1より少し大きいところで収束しているのは謎ですが、軌跡の形状だけで判断してみます。なかなか微妙ですが水色(RollのP値が22のもの)が一番理想に近いように見えます。これはP&I強度が0.5のものです。

次に基準値倍率設定の最適値を探ります。上の設定でP値がだいぶ小さくなったのでレスポンスがかなり遅くなっています。倍率設定でPDバランスを変えることなく両方の値を変更出来ます。軌跡が乱れることなく素早く立ち上がるように設定します。目安としては規定値のPに近くなるところが良いのではないかと思います。

赤が基準値倍率を2.0にしたものです。YAWをみるとちょっと強めすぎにも思えますが、このまま進めます。もし基準値倍率が2.0では足りない場合の調整方法についてはビデオの23:31からご覧ください。

I値(アクロの場合はFF値も)を元に戻して最終確認です。

3軸ともなかなか良い感じになりました。ややオーバーシュートしてすぐに安定しているのが良い設定と思います。

PIDスライダーの最終的な状態は以下の通りです。

[ 動的アイドル値の設定 ]
Chris Rosserを信用して1.6インチでのおすすめ値の94を設定しました。28:41に解説があります。ここで各プロペラサイズと推奨値が書かれています。1.2インチについては推奨値がありません。室内飛行では必要ないからかもしれません。もし設定するとすれば1.6インチと同じにしておけば良いのではないかと思います。

以上でチューニングは完了です。正直なところわたしの飛ばし方ではチューニング前と後で変化を感じることはありませんでした。

以前、紹介したPIDtoolboxの使用方法と基本的には変わりませんが新しいバージョンでの手順を説明しておきます。macOSでの例ですがWindowsでも概ね同じだと思います。

導入方法は、https://www.nkozawa.com/blog/archives/7160に書いてあります。

[ ログの取得 ]
Blackboxログを取得する際にはBlacboxデバッグモードにGYRO_SCALEDを指定しGYROのフィルター前のデータを取得するようにします。また、レートは1KHz2KHzがお勧めだそうです。

[ PIDtoolboxデータ読み込み ]
macOSにおいて古いバージョンではPIDtoolboxが存在するフォルダーにログをコピーしてから読み込みを行なっていましたが、最近のバージョンでは任意の場所にあるログを読み込めるようになりました。内部的にPIDtoolboxと同じ場所に一時的にログファイルをコピーするようになったので、ここにログファイルを置いておくことは出来なくなりました。
ファイルの読み込み方法は以前と同じで右上にあるSelectボタンで行います。ファイルダイアログが開くので目的のログファイルを選びます。もし複数のフライトが記録されている場合には次のウインドウが開くので目的のフライトを選択します。

[ トリム ]
ログが読み込まれるとグラフが表れます。グラフの最初と最後は少しだけグレーアウトされています。これは安定した飛行をしている部分のみを解析対象とするためです。その範囲を変更したいこともあります。その場合、右側にある’Trim ON’を使います。これをオンにすると十字のカーソルが現れますので、最初にログ解析開始位置、次に終了位置を指定します。

PIDtoolboxには沢山の機能がありますが、わたしは二つの機能しか使用していません。それらについて紹介していきます。

[ スペクトログラム ]
ジャイロノイズの様子やフィルターの効き具合を確認します。
– 最初の画面で’Spectral Analyzer’ボタンを押します。
– ‘Spectral Analyzer’ウインドウが開くので右側中央あたりの’Freq x Throttle’ボタンを押します。
– さらに新しいウインドウが開いたら右上の’Run’ボタンを押します。

同様のグラフはBlackbox Explorerでも得られますが、必要なデータが一度に得られるのでPIDtoolboxが使いやすいです。

10個のグラフが表示されています。それぞれ縦軸が周波数、横軸がスロットルポジションとなっています。このデータは室内飛行で取得したものなのでスロットルが65%くらいまでしかあげられませんでした。屋外でこのデータを取得する場合、スロットルをなるべくゆっくりと100%まで上げると良いデータが収集出来ると思います。
グラフの種類は規定値で左からジャイロのフィルター前(このデータの取得にはGYRO_SCALEDの指定が必要)、フィルター後のジャイロデータ、DTERMのフィルター前、フィルター後になります。

100Hz以下に多くのデータがあります。これは実際の機体の動きを表すジャイロデータです。この部分がフィルターによって失われてはいけません(起こり得ませんが)。100Hz近辺から上の周波数は機体の制御に必要では無いノイズということになります。左端のグラフで右肩上がりに濃い色が現れているのはスロットルポジションに合わせて(モーターの回転数に比例して)周波数が上がっていくノイズです。これがRPMフィルターのターゲットになります。他には目立ったノイズは見当たりませんのでRPMフィルターさえあれば他のフィルターは必要がなさそうです。

DTERMノイズについては語るほどの知識はありません。だいたいこんな感じならば良いのではないかと思います。

[ ステップレスポンス ]
フィルターの設定が決まったら、いよいよPIDチューニングです。
– 最初のウインドウで’Step Resp Tool’ボタンを押します。
– 新しいウインドウが開くので’Run’ボタンを押すと結果が表示されます。

このグラフはスティックの動きに実際の機体の動きがどれくらい追従しているかを表します。フライト全体で3軸それぞれについてsetpointとgyroのデータを処理してグラフを作ってくれているのでとてもわかりやすいです。Blackbox Explorerで見ようとするとフライト全体ではなく、飛行中の個々の動きにおいてsetpointとgyroのデータを眺めて判断しないといけないので時間がかかります。

理想的な動きはなるべく速くかつスムースに1に収束することです。このグラフが波打っている時には実際に機体も振動するような動きになっています。また立ち上がりがゆっくりすぎるとスティクに対する反応が鈍い機体ということになります。ざっくり言うとPDバランスにより滑らかに振動することなく1に収束させ、さらにPD双方の強さで反応を速くするという感じです。具体的な調整事例については別途書きたいと思います。

メインの画面で複数のログを読み込むことにより、複数のログデータをプロットすることも出来ます。

PID値も表示されるので、調整によりどう変わったのかが一目でわかります。

PIDToolBoxの最新版は以前と随分と変わりましたので、私のmacOS Venturaでの実際の導入例を紹介いたします。

以前と比べると随分と素直になりましたが、特にmacOSでは起動するまでに色々と手順を押さえておかねばならないことがあります。

[ 準備 ]
https://github.com/bw1129/PIDtoolboxのReleaseのリンクから最新版をダウンロードします。この記事を執筆している時点ではv0.62でした。
– ダウンロードしたzipファイルを使いやすい場所に展開します。展開した場所がプログラムの実行場所であり、ログの一時置き場としても使われます。わたしはデスクトップにPIDtoolbox_v0.62_osxというフォルダーのまま展開して使用することにしました。
– README_PLEASE.txtというファイルがあります。この中に導入手順が書かれています。英語ですがdeeplで翻訳すると完璧な日本語になるので、それに従えば大丈夫です。ここでは画面のコピーも交えて重要なところを説明していきます。

[ MATLAB導入 ]
– MyAppInstaller_webを起動します。これでMATLABというツールを導入します。同時にアプリケーションフォルダーにpidtoolbox.comというフォルダーが作られ、アプリケーションメニューからPIDToolboxが起動できるようになりますが使用しない方が良いようです。これは消してしまった方が良いと思います。
– Macあるあるですが署名されていないプログラムはダブルクリックしても起動しません。
MyAppInstaller_webを右クリックして開くを選択します。

こんなプロンプトが出るので開くをクリックします。
– PIDtoolboxのダウンロードウインドウが表示され、しばらくすると下のようなウインドウが出て管理者パスワードが要求されます。(もしかするともう一度MyAppInstaller_webを起動しないといけないかも知れません)

– あとは画面に従って導入を完了させます。

[ PIDtoolboxの起動 ]
– PIDtoolboxの起動に先立ちblackbox_decodeと必要に応じてblackbox_decode_INAVを起動できるようにしておきます。例によって署名が無いプログラムですので、右クリックで開くを実行し一度起動できればOKです。
– PIDtoolboxはアプリケーションメニューではなく、デスクトップ下にコピーしたものを起動します。これも最初の起動は右クリックで開く必要があります。二度目からはダブルクリックで起動できます。
– 最初に起動すると下のメッセージが表示されます。

次にファイルダイアログが表示されるのでPIDtoolboxのあるmainフォルダーを指定します。この指定は後から’Reset main directory’という機能で変更することも可能です。

[ ログファイルの読み込み ]
Selectボタンでログファイルを読み込みます。古いバージョンの時はmainの下にログファイルを移動させておく必要がありましたが、最新版では任意の場所からログを読むことが出来ます。逆にmainは一時的にログをコピーする場所になりましたので、ここにログファイルを置くことが出来ません。以上でPIDtoolboxが使用できるようになりました。

ログの解析事例についてはまた改めて書きたいと思います。

GG BONE FIVE F/Sは日本人の手によるU100gフリースタイル・フレームです。堅牢さを持たせてかつ100g以下を実現した素晴らしいフレームです。それにRunCam Thumb Proを載せるマウントを作成しました。

STLファイルはThingiverseで公開しています。
https://www.thingiverse.com/thing:6042204

また3D印刷したものと必要なネジをセットにして販売もしています。
https://dskozak.stores.jp/items/646d5876675488002e030e2d

U100gで完成機として購入出来るフリースタイル機であるDarwinFPVのTinyApeに手軽に4K動画が撮影出来るRunCam Thumb Proをマウントするべく試行錯誤していました。

最初はフレームに直にマウントして試してみましたが、やはり細かい振動が気になりました。機体の方も調整の余地はあるかも知れませんが、十分に楽しく飛ばせているのでソフトマウントを試すことにしました。いくつかのバージョンを経てなんとか満足出来るものが完成しました。それでもまだ小さな振動があるのは小型機の宿命なのか腕の問題なのかは分かりませんがGyroflow必須です。

バッテリーは長さにもよりますが下側にマウントするように変更します。

STLファイルはThingiverseで公開しています。
https://www.thingiverse.com/thing:6024966

また3D印刷したものと必要なネジをセットにして販売もしています。
https://dskozak.stores.jp/items/64603091cd92fe00827ab7b9

TX16Sは付属の電池ケースを利用して18650バッテリーで使用しています。ところが過去に使用したプロポに比べて電池の持ちが今ひとつです。最初はそういうものかと思っていましたが、どう考えても容量的には18650の方が有利なはずです。得体の知れない18650で容量が足りないのかもとしばらくは使い続けていました。

[ TX16Sの充電機能に問題あり ]
もしかするとTX16Sが電池を満充電に出来ていないのかと思い、TX16Sで充電完了後の18650を外し18650専用の充電器に入れてみました。すると一本の18650の電圧が随分と低いのです。これはTX16Sがもともとバランス充電していないのか、バランス充電しようとして失敗しているかです。いずれにせよ私のTX16Sでは充電が完了しないことがわかりました。

[ 解その1 ]
18650専用充電器で充電すれば良いのですが、わたしの充電器はとても遅いです。そこでTX16Sで充電後に18650充電器することでしばらくは満足していました。バランスコネクターだけで充電するバランス充電器も使えそうです。

[ 解その2 ]
TX16Sに付属していた電池ケースはバランスコネクターは正しく結線されています。これにXT30を追加すれば普通に使っているリポの充電器が使えます。

ドローンを飛ばすわけではないので細いワイヤーでバランスコネクターの両端に結線すれば大丈夫です。この写真ではXT30のオスメスが間違っています(あるあるです^^;)


充電電圧などは18650の規格に合わせてください。わたし(多分)本物のVC7に買い替えたので4.2Vにしています。充電電流は今のところ控えめに2Aで行っています。

今回はTX16Sの付属電池ケースを使用しましたが、別に電池ケースを用意してもうひとつ同様のものを作っておこうと思います。

作成したものを販売しています。
https://dskozak.stores.jp/items/647e8ea9b363bc002e5ca8b9

日本に来てから低調なドローン生活が続いています。色々と面倒なことが多すぎて、屋外飛行は100g未満の機体で遠慮がちにたまに飛ばす程度になっています。これではいかんと言うことで、飛ばす場所の許可とかは別としてとりあえずはDIPS2.0を使えるようにしたいと思いました。しかし噂通りで一筋縄ではいきません。わたしが悩んだポイントについて書いておきます。

[ 前提 ]
私は数機のFPVドローンとDJI Sparkを2022年6月に古いDIPSシステムにて、リモートID無しで登録済みです(登録料を支払い登録記号をもらった状態)。

[ DIPS 2.0での飛行許可・承認申請 ]
機体は登録済みなので飛行許可の申請は機体以外の情報が必要なのだろうと思ったらさにあらず。ここから長い修行が始まります。途中挫けそうになってツイートすると、みなさん苦労されているようで助けていただけました。

これから説明する手順はすべてDIPS2.0トップメニューの「飛行許可・承認へ」ボタンから始まります。

– 「無人航空機情報の登録・変更」を見ると2022年に登録した機体が一覧に表示されるので一安心。
– 次に「操縦者情報の登録・変更」です。操縦者情報の登録は難しくはありませんが、操縦者と登録機体を紐づけるための機体登録です。DJI Sparkは簡単に登録できましたがFPV機を登録しようとすると「機体情報の登録が完了していません」と表示されました。

– 自作機、準自作機の場合さらなる情報登録が必要なようです。ということで、「無人航空機情報の登録・変更」に入ります。
– 機体の編集に以前に登録した時の情報が表示されますが、それ以外に多数の入力項目があります。これらを埋めていかなければなりません。
– 「Ⅴ.基準適合性に関する情報(一般)」と「Ⅵ.基準適合性に関する情報(遠隔操作関係)」はだいたいの場合、すべて”適”で良いと思います。
– 「Ⅶ.基準適合性に関する情報(自動操縦関係)」は全て”該当せず”にしました。
– 「Ⅸ.機体仕様に関する資料提出」には前、横、上から撮影した写真を添付。
– 「Ⅹ.操縦装置に関する情報」にはプロポの名称、メーカー名と写真を添付。
– 「Ⅺ.機体の運用限界に関する情報」、最初は”取扱説明等に記載は有りません”にしましたが、どうもうまく審査を通らないようです。そこで各数値を自分で定義した数値で埋めて自作の取扱説明書を添付することにしました。

– 「Ⅻ.飛行させる方法に関する情報」についてはプロポのモードを選択しただけです。
以上で無人航空機情報については完成です。

次はやっと飛行許可・承認の申請です。飛行方法、飛行場所については難しいことはないと思います。ポイントだけ列記しておきます。
– 「飛行の方法の確認(航空法第132条の86第2項関係)」はFPV飛行ということで”目視外飛行”を選択しました。
– 「飛行リスクの緩和措置の確認」は”補助者を配置する。”を選択しました。
以上でカテゴリー判定が行われ「カテゴリーⅡA」の申請に進みます。
– 趣味のFPVということで最初の方は簡単に選択可能です。
– 「V.飛行する場所はどこですか?」は”特定の場所・経路で飛行する”を選択しないと先に進めません。
– 「Ⅰ.飛行場所」の住所は細かいところまで指定しないといけません。私の場合は番地まで記入しました。地図の編集はややわかりにくいところもありますが、やっているうちになんとかなると思います。
ここからまた機体の情報を追加する必要があります。
– 「Ⅰ.機体情報一覧・選択」で登録済みの機体を選択します。
一覧に機体の情報が表示されます。一覧表を右の方に行くと「追加基準」というボタンがあるので、それを押してさらに情報を入力します。
– 「4-1.自動操縦システムを装備し、機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること。」は”機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できる…”を選択し下の写真を添付。

– 「4-2.地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できること(不具合発生時に不時着した場合を含む。)。」は”その他”を選択し説明として以下の文章を記入。

FPV画面にて電圧および機体の異常について確認できる。位置についても画像より判断できる。

– 「4-3.不具合発生時に危機回避機能(フェールセーフ機能)が正常に作動すること。」は”電波遮断時にはフェールセーフ機能(自動帰還機能、電波が復帰するまで空中で位置を維持する機能等)が作動することを確認している”を選択しました。

あとは操縦者を選択します。マニュアルは航空局標準マニュアル01を選択しました。
最後に保険については、ドローン事故もカバーできる損害賠償保険の情報を入力して終了です。

[ 補正指示 ]
内容に不備や問題があるとメールにて補正指示発行通知が出されます。指示に従って内容を訂正して再申請します。一点、わかりにくいところがあります。機体の情報を変更した場合、それだけでは申請に反映されないようです。飛行許可・承認申請の機体一覧から一度機体を削除して登録しなおしたらうまく行きました。

実際の飛行には飛ばす場所の飛行許可に加えてDIPSにて飛行計画の通報も必要です。

Happymodel EP1 ELRS受信機のファームウェアを更新に失敗しました。経過は別として、それを復活させることができましたので、よく知られたものですが回復手順を書いておきます。

ファームウェアの更新失敗後の現象は電源を入れるとLEDが点灯したままになり何も反応しなくなるというものでした。その他の前提としては、FCから外した状態での復活の挑戦です。

[ Bootloderモード ]
HappymodelのサイトによるとGNDパッドの近くにあるBootパッドをGNDに接続して電源を入れるとBootloaderモードに入れられます。これを使えば復活できそうです。

[ FTDI ]
(実際に使用したのは中国で購入したもので、このアマゾンリンクのものではありませんが、見た目はそっくりです)

この小さな機械はPCのUSBに接続してシリアルポートとして使うものです。ちゃんとしたモデムを駆動できる各種信号線がありますが、実際に使用するのはVCC, GND, RX, TXです。

[ 接続 ]

緑のワイヤーは一方の端を利用してBootとGNDをブリッジするために使用しています。黒はGNDです。赤はVCCです。VCCは3.3Vと5Vに変更できるようになっていますのでFTDI上のジャンパーで5Vにしておきます。白はFTDIのTXとEP1のRXを接続しています。黄はFTDIのRXとEP1のTXを接続しています。

[ ELRS Configurator ]

Flashing MethodをUART、Manual serial device selectionでFTDIに対応したusbserialを選ぶだけで、あとは普通通りにBUILD & FLASHを行います。

フラッシュ後はbootジャンパーを外します。

今回はFTDIを使用しましたが、FCに接続してBetaflight passthruでも復活できるような気はしますが試してはいません。

新しく65mm機を組み上げたのですが、電池の減りが異常に速い。1分でかなり電圧が低くなり2分間浮いて居られないです。リポ電池もそうとう熱くなるので電池寿命を縮めているのは間違いないと言えるほどです。

それをツイートしたら答えが得られました。

ということでESCのファームウェアをBluejayからJazzMaveric(BLHeli_M)にしたら問題解決。コンスタントに3分間飛べるようになりました。
最終的にはJESC 96KHzを使用しています。この機体にはEmuflightを載せていてRPMフィルターは使わないのでライセンスなしのJESC無料部分だけを使用しています。JazzMavericからJESCに変更したのは特に理由は無いです。JESCを最後にテストしたから、それを使い続けているだけのことです。

最初はBluejayの設定変更により問題が解決するのか探ってみるつもりでしたがJESCで快適に飛んでいるので、その気がなくなりました^^
参考までにBluejayの時の設定画面を載せておきます。

規定値から特に変更しているところは無いと思います。